保存治療3日目で効果乏しいとき、膿胸は早期に外科手術すべき

e0156318_10322082.jpg アウトカムはやはり栄養ありきかなと思います。

宮原 栄治ら
急性膿胸に対する胸腔鏡手術における術後在院期間に関与する因子の検討
呼吸器外科32 巻 (2018) 1 号 p. 12-17


背景:
 急性膿胸22症例を対象として胸腔鏡下膿胸腔掻爬術の術後在院期間に影響する因子を検討した.

結果:
 飲酒歴・術前合併症・術前ドレナージ留置の有無,膿胸腔排液の細菌培養陽性陰性,において有意差は認めなかった.また,年齢,BMI,喫煙指数,手術時間,術中出血量との間に有意な相関は認められなかった.術前および術後1週目のAlb2.5 g/dl未満の症例では以上の症例に比較し,術後在院期間が有意に延長していた.また,症状発現から手術,医療機関受診から当科紹介の各期間と術後在院期間との間には正の相関を認め,症状出現から手術までの期間が23日未満の症例は以上の症例に比較し,また医療機関受診から当科受診までの期間が15日未満の症例は以上の症例に比較し,術後在院期間が有意に短縮していた.

結論:
 膿胸診断時は,保存治療開始早期に(3日目を目処に)炎症反応の低下を認めなければ外科治療を考慮することが重要と考えられた.


# by otowelt | 2018-02-20 00:26 | 感染症全般

外科手術を受けた孤立性肺非結核性抗酸菌症の検討

e0156318_21415744.jpg 肺孤立影でNTMを診断するのは至難の業です。男性で上葉にあると、たまに術前にkansasiiが検出できることがあります。

笠井 由隆ら.
肺悪性腫瘍を疑い外科切除を行った孤立性肺非結核性抗酸菌症の検討
呼吸器外科 32 巻 (2018) 1 号 p. 2-6


背景:
 2010年1月から2016年12月までに当院で術前に肺悪性腫瘍を疑って外科切除を行い,術後に非結核性抗酸菌症と診断された12例について検討した.

結果:
 男性10例,女性2例,平均年齢は66歳であった.菌種はM. aviumが8例,M. intracellulareが3例,M. kansasiiが1例であった.腫瘤径の平均は30 mm(11~74 mm)であった.12例中7例はFDG-PETを行っており,SUVmaxの平均は6.98(3.18~13.40)であった.術式は肺葉切除4例,区域切除1例,部分切除7例であった.術後化学療法は5例に行われていた.術後再発は認めなかった.

結論:
 術前に孤立性非結核性抗酸菌症と悪性腫瘍を鑑別するのはFDG-PETを用いても困難である.また孤立性の場合,気管支鏡による菌検出率も低い.進行症例では術後の再排菌率も高いため,積極的に診断と治療を兼ねて手術を行うべきである


# by otowelt | 2018-02-19 00:22 | 抗酸菌感染症

ホームレスは潜在性結核感染症が多い

e0156318_9552565.jpg 日本国内でもホームレスのLTBI・結核は多いと思います。

Aldridge RW, et al.
High prevalence of latent tuberculosis and bloodborne virus infection in a homeless population.
Thorax. 2018 Jan 29. pii: thoraxjnl-2016-209579. doi: 10.1136/thoraxjnl-2016-209579. [Epub ahead of print]


背景:
 イギリスにおける都市部のホームレスは、高い活動性結核の罹患率を有しているが、LTBIの頻度についてはよくわかっていない。この研究では、ロンドンのホームレスのLTBIの頻度を調べた。

方法:
 2011年5月から2013年6月までロンドンのホームレスから研究被験者をリクルートした。LTBIの頻度を推定10%と見積もると(95%信頼区間8-13%)、500人の被験者が必要だった。

結果:
 804人中491人(61.1%)がスクリーニングに同意した。LTBIの頻度は491人中81人(16.5%、95%信頼区間13.2-19.8)だった。ほとんどの被験者(89%)は男性で、30~49歳が52.3%、イギリス生まれが62.1%、現喫煙者が80.2%だった。イギリスで生まれ育った被験者のうち、刑務所に入った経験がある者はLTBIのリスクが上昇した(オッズ比3.49、95%信頼区間1.10-11.04、p=0.018)(年齢、ホームレス期間などで補正)。過去B型肝炎ウイルスに感染していたのは10.4%だった(489人中51人、95%信頼区間7.7-13.1)。同様にC型肝炎ウイルスも10.4%だった(同51人、95%信頼区間7.8-13.1)。

結論:
 ロンドンのホームレスのLTBIの頻度は高い。また、B・C型肝炎ウイルスの治療も同集団のアンメットニーズである。

補足:
 日本の推定感染率と比較すると、この曲線のやや上に位置するのがわかるかと思います。
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# by otowelt | 2018-02-16 00:57 | 抗酸菌感染症

IPFに対するオフェブ®の実地臨床レベルの安全性

e0156318_7331272.jpg 後ろ向き研究なので参考程度です。

Tzouvelekis A, et al.
Safety and efficacy of nintedanib in idiopathic pulmonary fibrosis: A real-life observational study.
Pulm Pharmacol Ther. 2018 Jan 20. pii: S1094-5539(17)30243-2. doi: 10.1016/j.pupt.2018.01.006. [Epub ahead of print]


背景:
 ニンテダニブはIPFの進行を緩和させる抗線維化薬である。

目的:
 実地臨床レベルのIPF患者のニンテダニブの安全性・有効性を調べること。

方法:
 2014年10月~2016年10月に実施された多施設共同後ろ向き観察研究である。

結果:
 94人のニンテダニブ内服IPF患者が登録された(72人が男性、平均年齢73.8±7.5歳、平均%努力性肺活量68.1±18.3%、平均%DLCO44.4±14.5%)。下痢がもっともよくみられた副作用だった(55.3%)。20人(21.2%)の患者は副作用のためニンテダニブを中断せざるを得なかった。死亡や脱落例を除外すると、6ヶ月の経過において%努力性肺活量および%DLCOの減少中央値はそれぞれ1.36(95%信頼区間0-2.97)、4.00(95%信頼区間2.01-6.20)だった。360日の経過中、17人(18.1%)が死亡した。

結論:
 観察研究においても、ニンテダニブは忍容性があり効果的と考えられる。実臨床レベルの安全性と効果を検証する前向き研究が望まれる。


# by otowelt | 2018-02-15 00:40 | びまん性肺疾患

書籍紹介:誰も教えてくれなかった胸部画像の見かた・考えかた

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 「第2回私が出合ったマジヤバイ胸部画像読本【Dr.倉原の“俺の本棚”】」(http://www.carenet.com/series/kurahara/cg002081_02.html)で、「誰も教えてくれなかった胸部画像の見かた・考えかた」を紹介させていただきました。

 この本は、フルカラーで見やすいだけでなく、コンパクトな薄さに必要な情報がギッシリ詰まっています。外科的な視点が強く出ているため、胸部レントゲンの書籍としては、近年では群を抜いた完成度と目新しさです。

 買って絶対に失敗はないです。間違いなく、私が出合った胸部レントゲン写真読影本の第1位に躍り出ました。

 繰り返します、買って絶対に失敗はないです。



# by otowelt | 2018-02-14 00:15 | その他