NSCLCのセカンドラインの標準療法はドセタキセル単剤(JCOG0104試験)


今の病院に赴任してから、1年がたつが
最初の頃に受け持った肺癌の患者さんたちにが亡くなっていく姿をみるのはつらい。
今も生と死の境目で踏みとどまっている患者さんたちが何人かいる。
夜にベッドサイドの横に腰掛けてでそんな痩せこけた患者さんの寝顔をみると、
癌というのは抗癌剤では根治はできない病気なのだと思い知らされる。
選んだ抗癌剤が果たして正しかったのかどうか、いつも考える。
医者はそういったとき、エビデンスという拠り所を必要とすることがある。
「あの抗癌剤が一番エビデンスがあるのだから、だから使った・・・」
といった感じに。自責の念を、エビデンスに転嫁することもある。
苦しそうに息をする患者さんを目の前にして
なかなかそう割り切れない自分もいるのが実際のところでもある。


肺癌診療をやっているならば、JCOG0104試験は知っておく必要がある。
NSCLCのセカンドラインは、異論なくドセタキセル単剤である。
この試験では、併用療法よりもドセ単剤に軍配があがった。
ドセタキセル単剤がドセタキセル+ゲムシタビン併用よりも
ILDが少なく生存期間に差がみられなかったことから、単剤に軍配があがっている。

Annals of oncologyに、JCOG0104試験の詳細報告がなされた。

Phase III trial of docetaxel plus gemcitabine versus
docetaxel in second-line treatment for non-small-cell
lung cancer: results of a Japan Clinical Oncology
Group trial (JCOG0104)
Annals of Oncology 20: 835–841, 2009


背景:
 ドセタキセルとゲムシタビン併用がドセタキセル単剤に比べて
 進行NSCLC患者において効果があるかどうかを検証。

患者および方法:
 PS0-1、20–75歳の患者。
 ・docetaxel 60 mg/m2 (day 1)
 ・docetaxel 60 mg/m2 (day 8)、gemcitabine 800 mg/m2 (days 1 and 8)
 両群ともPDがみられるまで、21日ごとに繰り返す。

結果:
 65人がそれぞれの群に、合計130人が登録。 
 毒性はILD以外は同等。
 Pneumonitis (ILD)は、ドセタキセル単剤でGrade1が1人(1.6%)のみ。
 併用群では、合計16.9%にILDがみられた。
 MSTは、併用群で10.3ヶ月、単剤で10.1ヶ月(P=0.36)
 PFSは併用群の方が長かった。
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結論:
 ドセタキセルは、NSCLCの治療におけるセカンドラインの標準療法である。

by otowelt | 2009-05-05 22:13 | 肺癌・その他腫瘍

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