6分間歩行試験初回距離は、肺癌の予後推定に有用
2009年 05月 14日
6分間歩行試験と肺癌を組み合わせたスタディ。
労作時の症状を有する、びまん性肺疾患などでよく使う。
ちなみに競歩の一番短い5000m競技の世界記録保持者はチュニジアの選手だが、
この人が6分間歩行試験を全力で歩くと、1658.9mになる。
・・・・とてつもない距離だ、どうでもいいが。
Prognostic Value of the Six-Minute Walk in Advanced Non-small Cell Lung Cancer.
Journal of Thoracic Oncology. 4(5):602-607, May 2009.
背景:
6分間歩行試験(6MW)は、労作における呼吸評価に使われる。
私たちは、化学療法のあと、6分間歩行成績が落ちるかどうかを評価し
これを予後に関連付けた。
方法:
6MWは、進行非小細胞癌と診断された患者において
2サイクルの化学療法の前に1回、あとに2回施行。
結果:
64人の患者が登録。45人(70%)の患者が試験を完遂した。
ドロップアウトした人は、6MWで361m歩行できたが、
これは完遂した人の445mに比べて低かった。
45人の患者において、6MWは2サイクルの後成績が落ちていた。
54m以上成績が落ちた人が、13人(29%)。
不変あるいは成績が上昇していたのは32人(71%)。
最初の6MWで400m以下の人は、ドロップアウト率が高く(p = 0.02)、
癌もPDになる率が高かった(p = 0.03)。
また初回400m未満の6MW患者のMSTは6.7か月と有意に低かった(95%CI 2.6-10.8)
400m以上の場合13.9ヶ月(95%CI 10.0-17.8) (p = 0.01)。
結論:
6MWは2サイクル化学療法のあと、成績が落ちる傾向にある。
初回6MWで400m以上歩けることは、進行NSCLCにおいて
予後あるいは生存に関して有用と考えられる。
by otowelt
| 2009-05-14 12:37
| 肺癌・その他腫瘍