慢性好酸球性肺炎

4月からCEPの患者が続けて4例いたので、まとめてみた。


●慢性好酸球性肺炎の分類
 特発性好酸球性肺炎(IEP)は歴史的にはLöffler によりLöffler症候群と記載され、
 Croftonにより単純性好酸球性肺炎と遷延性好酸球性肺炎と、
 そしてReederとGoodrichによりPIE 症候群と称されてきた。
 1969 年にLiebow とCarrington は、好酸球性肺炎を肺への好酸球の浸潤
 であり、末梢血の好酸球増多を伴う場合も伴わない場合もあると定義した。
 近年IEP は慢性好酸球性肺炎(CEP)、急性好酸球性肺炎(AEP)、
 単純性好酸球性肺炎と分類されている。
Eosinophilic lung diseases. Am J Respr Crit Care Med 1994 ; 150 : 1423―1438.

●AEPとCEPの違い
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●CEPとは
 慢性好酸球性肺炎(CEP)は、1969年にCarringtonらが提唱した疾患概念。
 1952年にReederらの提唱したPIE症候群からわけて考えるようになった。
                    NEJM, 280: 787-798, 1969.

●CEPの疫学
 中年女性に多い傾向にあるが、報告例はさまざま。平均年齢は40~50代が多い。
 アレルギー疾患の既往を持っていることが多い。
 季節との関連性はないが、喘息合併の影響もあるためか4~5月に多い。

●CEPの症状
 咳嗽、発熱、喀痰、呼吸困難、喘鳴、胸痛、盗汗、体重減少などが出現する。
 Chronic eosinophilic pneumonia. A report of 19 cases and a review of the literature. Medicine 1988; 67:154.
 過去の喘息、引き続き喘息症状が出るなど、喘息と関連することが50%で認められる。
Idiopathic chronic eosinophilic pneumonia and asthma: how do they influence each other?  Eur Respir J 2003; 22:8.

●CEPの診断
1.外科的生検でCEPと診断
2.BALFあるいは末梢血好酸球が30%以上
3.a) TBLBで好酸球が多い
  b) BALF好酸球が10%以上
  c) 末梢血好酸球が6%以上
  a)、b)、c)のうち2つ以上を満たす

●CEPの検査所見
・血液検査
 末梢血好酸球増加、白血球増加、CRP上昇、IgE高値
 (5~10%に好酸球増加のないものもある)
 赤沈亢進、鉄欠乏性貧血、血小板増加
Diagnostic problems in chronic eosinophilic pneumonia. J Int Med Res 1997; 25:196.

・気管支鏡
 BALF中の好酸球増加は必要所見、40%以上になることが多い
Diagnostic problems in chronic eosinophilic pneumonia. J Int Med Res 1997; 25:196.
 BALF中の好酸球は平均58%
Idiopathic chronic eosinophilic pneumonia. A clinical and follow-up study of 62 cases. Medicine (Baltimore) 1998; 77:299.
 BALF中の好酸球は、過分葉していることが多い
 CD4/8比は2.5前後

・呼吸機能検査  閉塞性換気障害パターンが多い

・画像検査
 胸部レントゲン:photographic negative of pulmonary edema (50%以下)
Peripheral opacities in chronic eosinophilic pneumonia: the photographic negative of pulmonary edema. AJR Am J Roentgenol 1977; 128:1.
 CT:スリガラス影>浸潤影
   中間層気管支に直交する帯状影、curve-linear shadow(25%)
   air bronchogram (半数以上)、胸水貯留(20%)

 CEPのHRCTの特徴(『HRCT of the lung』より)
 1.浸潤影(consolidation)が肺末梢側に斑状にみられる。
 2.肺末梢側あるいは斑状のスリガラス影、時にcrazy paving
 3.線状陰影
 4.上葉優位にみられる陰影
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●CEPの病理
・典型的には好酸球とリンパ球の肺胞隔壁や間質への集簇で
 半数の例で間質の線維化を認めている。
Chronic eosinophilic pneumonia. A report of 19 cases and a review of the literature. Medicine 1988 ; 67 : 154―162.
Eosinophilic pneumonia. In : Hasleton PS, ed. Spencer’s pathology of the lung. 5th ed. New York : McGraw-Hill, 1996 ; 450―453.

・器質化肺炎像や好酸球性膿瘍をときに認め、少数例で非乾酪性肉芽腫を認める。

●CEPの治療
 10%は無治療でも軽快する
 再発が多い
Idiopathic chronic eosinophilic pneumonia. A clinical and follow-up study of 62 cases. Medicine (Baltimore) 1998; 77:299.
 ・ステロイド
  40~60mgのプレドニゾロンで2週間始める。
  その後、半分ずつ減量しさらに8週間続ける
 結局、初期治療は平均19か月続くという報告もある
  Chronic eosinophilic pneumonia. A report of 19 cases and a review of the literature. Medicine 1988; 67:154.
 ・吸入ステロイドが効果があるという報告もある

文責="倉原優"

by otowelt | 2009-06-30 12:00 | レクチャー

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