脾臓摘出後重症感染症(OPSI)


●OPSIとは
 脾臓摘出者は経過中にS.pneumoniae などによる感染症にかかり
 数時間から数日で死に至る場合がある。
 その死亡率は50~75%と報告されており、
 脾臓摘出後重症感染症overwhelming postsplenectomy infection(OPSI)
 と呼ばれている。
    Perdiatr Dev Pathol 2001;4:105―21

●機序
 脾臓は食菌・浄化、特異的免疫応答、オプソニン産生を行う臓器であり
 脾摘者ではこれらの機能が失われるため、
 重篤な感染症を引き起こすといわれている。
    Infect Dis Clin North Am1996;10:693―707.

●起因菌
 S. pneumoniaeが最も多く、50~90%と報告。

●発症
 OPSI の合併頻度は脾臓摘出者の約5%であり、発症までの期間は
 5日~35年と幅広く分布。

●予防
 OPSI の発症予防として肺炎球菌ワクチンの接種が推奨。
    JAMA 1993;270:1826―31.
by otowelt | 2009-08-20 10:32 | レクチャー

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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