CDADにおけるリボタイプ別リスク


偽膜性腸炎はもはや今やCDAD(C.difficile関連腸炎)と呼ばれる時代だが
私の病院でも、カルバペネムとクリンダマイシンの使用例が多いためかCDADが多い。
場合によっては、壊死性筋膜炎でもないのに両者を併用しているケースもある。
チャーシューメンに、ラーメンをトッピングで頼むようなもんだ、と誰かが言っていた。
(感染症治療の当たり前が、当たり前になっていない現状がある病院はまだ存在する)

CDADは見逃されているケースが多いと思われるが、
リボタイプ027の毒素産生が多いのは有名な話である。
JHIから、まぁそういう内容の論文が出ていたのでチョロっと読んでみた。

Clostridium difficile ribotypes 027 and 106: clinical outcomes and risk factors
Journal of Hospital Infection (2009) 72, 111-118


背景:
 イングランド南東部の地区総合病院において、Clostridium difficile関連下痢症
 発症のリスク因子、固有のリボタイプとの関連、および芽胞による汚染について調査。

方法および結果:
 酵素免疫測定法による便検体からのC. difficileトキシンの検出後、
 下痢97症例由来のC. difficile分離株のリボタイピングを行った。
 分離株の各種抗菌薬感受性をE-testを用いて調査した。症例の抗菌薬
 投与歴を評価し、臨床転帰を追跡した。年齢、性別、病棟、入院期間、
 併存疾患をマッチさせた対照を設定し、リスク因子抗菌薬を回帰分析を用いて判定。
 サイクロセリン-セフォキシチン-卵黄寒天培地により、病棟環境のサンプリングを行った。
 C. difficile分離株のリボタイプは45%が027、39%が106、10%が001。
 すべてのリボタイプがシプロフロキサシン、エリスロマイシン、およびセフォタキシム耐性
 であったが、メトロニダゾールおよびバンコマイシン感受性は保持していた。
 027菌株による粗死亡率(28日以内の死亡)は23%、
 早期死亡率(72時間以内の死亡)は11%であったが、
 リボタイプ106ではそれぞれ11%、3%であった。
 7日を超えるシプロフロキサシン投与が有意なリスク因子だった
 (OR3.72、95%CI 1.38~10.02、P=0.019)。環境サンプリングにより、
 室内用便器、差し込み式便器(bedpan shells)などの糞便で汚染された用具
 に芽胞が認められ、洗浄後も残存することが明らかとなった。

結論:
 リボタイプ027の死亡率は他のリボタイプよりも高い。
 シプロフロキサシン投与がC. difficile関連下痢症を助長すると考えられるため、
 使用は短期間に制限すべきである。

by otowelt | 2009-08-22 03:01 | 感染症全般

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