レボフロキサシン500mgによるQT延長作用の検討


クラビット500mg錠を使うにあたり、副作用に注意すべきことはないかと
いろいろ勉強していたら、フルオロキノロンでは多少なりとも知られた
QT延長症候群が目に入った。

化学療法学会雑誌で、500mgでの検討を行った原著論文があった。

Levofloxacin注射剤500mg単回投与の健康被験者におけるQT 間隔に対する影響
日本化学療法学会雑誌 MAR.2009


概要:
 Levofloxacin 500 mg 単回静脈内投与のQT 間隔に対する影響を評価するため
 健康な日本人男女を対象としたプラセボ対照クロスオーバー試験を実施。

方法:
 年齢(20 歳以上45 歳以下または65 歳以上79 歳以下)および性別が均等に
 なるように48 名の被験者を登録した。第1 期および第2 期にlevofloxacin または
 生理食塩液を投与した。標準12 誘導心電図を各投与期の点滴開
 始後0.5 時間,1 時間,1.5 時間,2 時間,2.5 時間,3 時間,4 時間,8 時間,
 12 時間,24 時間に記録した。
 デジタル心電図データは,中央心電図測定機関に送信され,背景情報が
 盲検化された後,マニュアル計測が行われた。QT 間隔に対しては
 Fridericia 法(QTcF),Bazett 法(QTcB)および試験集団固有のべき数
 (QTcP=QTRR0.410)による心拍数補正を行った。
 線形混合モデルを用いて,QT 間隔のベースラインからの変化量(Δ QTQTc)
 Δ QTQTc のlevofloxacin 群とプラセボ群との間の差(ΔΔ QTQTc)および
 片側95%CIの上限値を算出した。

結果:
 Tmax時のΔ QTcF はlevofloxacin 群で2.1 ms,プラセボ群で-1.3 ms
 ΔΔ QTcF は3.4 ms(片側95% 信頼区間上限5.2 ms)であり
 Torsades de Pointes を引き起こすリスクがないとされている範囲
 (ΔΔ QTQTc 5 ms 以下)内であった。男性または非高齢者と比較して,
 女性または高齢者でΔΔ QTcF が若干大きかったが,いずれも5 ms 以下の作用だった。

結論:
 以上より,levofloxacin のQT 間隔に対する作用はきわめて弱く,
 Torsades de Pointesを誘発する可能性は非常に低いと考えられる。

by otowelt | 2009-08-23 00:39 | 感染症全般

<< MDR-TB(多剤耐性結核) CDADにおけるリボタイプ別リスク >>