ピオグリタゾンはロシグリタゾンより死亡のリスクが低い


呼吸器内科をやっていても、当然ながら高血圧や糖尿病といった
生活習慣病をかかえている患者は多いわけだが、
BMJからピオグリタゾンとロシグリタゾンの比較試験が発表された。

チアゾリジン誘導体は組織のインスリンの作用を改善するということで
インスリン抵抗性改善薬とも呼ばれている。
周知のように、国内で認可されているチアゾリン系薬剤は国内ではアクトスのみ。
かつてはトログリタゾン(ノスカール)という薬剤があったが
肝障害のため2000年に発売中止になった。

ロシグリタゾン(アバンディア)とピオグリタゾン(アクトス)の一騎打ち。

Adverse cardiovascular events during treatment with pioglitazone and rosiglitazone: population based cohort study.
BMJ. 2009;339:b2942.


背景:
 チアゾリジン系薬(TZD)は、インスリン抵抗性の改善効果を有するが
 体重増加、水分貯留、心不全といった副作用が報告されている。
 RECORD試験では、ロシグリタゾンによる心不全リスクの増加が示されたが、
 心血管リスクに関するエビデンスは不十分で、チアゾリジン系薬に
 共通するリスクなのかは解明されていない。

患者: 
 カナダ・オンタリオ州の高齢の外来患者の中から、2002年4月から2008年3月まで
 ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンによる治療を開始した66歳以上の
 2型糖尿病患者を調査対象

方法:
 ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンを最初に投与された日を調査開始日とし、
 同時期にインスリンを投与されている患者は除外した。観察が3年になった時点、
 もしくは調査期間の終了日のいずれか早い方をもって打ち切りとした。
 プライマリアウトカムは、総死亡と、急性心筋梗塞または心不全による入院か
 救急外来受診の複合。セカンダリアウトカムは死亡、急性心筋梗塞、心不全を別々に解析。

結果:
 プライマリアウトカムに達したのは、ロシグリタゾン群1563例(6.9%)に対し、
 ピオグリタゾン群895例(5.3%)だった。調整後、ピオグリタゾン群は、
 ロシグリタゾン群よりも有意にリスクが低かった(HR:0.83、95%CI:0.76-0.90)。
 セカンダリアウトカムでは、ピオグリタゾン群はロシグリタゾン群に比べて、
 うっ血性心不全(調整HR:0.77、95%CI:0.69-0.87)と
 総死亡(調整HR:0.86、95%CI:0.75-0.98)のリスクが低かった。
 しかし急性心筋梗塞については、有意差はなし(調整HR:0.95、95%CI:0.81-1.11)。

e0156318_21584970.jpg

by otowelt | 2009-09-03 21:59 | 内科一般

<< 飛行機旅行におけるLAMの気胸... 酸素投与で二酸化炭素が蓄積する理由 >>