びまん性嚥下性細気管支炎Diffuse aspiration bronchiolitis (DAB)

・DABの歴史
 1978年、山中らがびまん性汎細気管支炎(DPB)に似た肉眼・組織所見を呈するものを
 誤嚥性DPBと記述。福地らがDPBとは異なる疾患としてDABの名称を提唱した。
                    日胸疾会誌 1989; 27: 571-577

・臨床像
 基本的に嚥下性肺炎と同様である。
 急性ではなく慢性の経過であることが異なる。
 異物を繰り返し誤嚥することにより引き起こされた細気管支の慢性炎症性反応。
                       Chest 1996; 110: 1289-1293
 嚥下性肺炎は高齢者に多い。DABは、通常の嚥下性肺炎と比べ突然の発症は少なく
 比較的潜行性と表現され、喀痰・咳は比較的軽度、発熱を伴わない例もみられる。
 炎症反応の上昇も比較的軽度にとどまることが多いとされている。
 多くは多量の誤嚥や嘔吐のエピソードがなく、微量の口腔内の誤嚥の反復が原因と
 考えられており、当然ながら高齢者や寝たきりの患者に多い。
 
・画像
 以下の3点が重要

 小葉中心性結節影(with tree in bud)
 びまん性の分布 (必ずしも下肺野優位ではない)
 末梢肺の過膨脹がない (DPBとの鑑別)


 画像ではDPBと同じく小葉中心性粒状影が主要な所見であるため、DPBらしい陰影を
 みたときにはDABも必ず考慮すべきである。小葉中心性陰影を呈した553例のHRCT
 所見を検討すると、DABは13例みられた。そのうちの12例は
 centrilobular nodules with tree-in-bud appearanceを呈した。
                Chest 2007; 132: 1939-1948
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・DPBとDABの違い
 DABの小葉中心性粒状影の分布は、下肺野で比較的限局する傾向がある。
 組織学的には細気管支壁へのリンパ組織球の浸潤を主体とし一部泡沫マクロファージ
 を混在する慢性炎症が特徴で、細気管支内異物やそれに関連した巨細胞がみられる。 
 
・嚥下性肺炎とDABの細菌学的な差
 喀痰細菌学的検討で、嚥下性肺炎ではS. pneumoniae、Enterococcusが多い。
 DABではK. pneumoniae、P. aeruginosaが50%にみられた。
 急性と慢性の差なので、あまり重要視しなくてよさそうだが・・・
                      日胸疾会誌 1989; 27: 571-577

・DABの治療
 誤嚥の防止と気道感染のコントロール
 嚥下性肺炎に準じた抗菌薬投与

by otowelt | 2009-10-27 23:40 | レクチャー

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