クオンティフェロンTBについて


※クオンティフェロンTBはここでは、QFT-2Gのことを指すものとする。

・クオンティフェロンの原理
 人が結核菌に感染すると、体内のTリンパ球がその情報を記憶して
 再び結核菌あるいは結核菌と同様な抗原が体内に侵入した時に、
 インターフェロンγを産生する。QFTでは結核菌に特異的な
 ESAT-6(1995年に発見)、CFP-10(1998年に発見)という蛋白を抗原とし、
 これらを全血に添加して血液中のエフェクターTリンパ球(感作白血球)を刺激し
 その結果放出されるインターフェロンγ(以下IFN-γ)を定量する。
 実際のQFT検査においては,刺激抗原はこれらの蛋白そのものでなく
 各々の蛋白を構成する重複合成ポリペプチドの抗原性の強い部分をいくつか
 確認し(ESAT-6では7個,CFP-10では6個)、それを混合して用いている。
 IFN-γの定量は、サンドイッチ免疫酵素法(ELISA)で行う。
 特異蛋白は結核菌群に含まれるすべてのMycobacterium tuberculosis株、
 病原性M. bovis株およびM. africanumから分泌される。
 一般的に遭遇する非結核性抗酸菌のうちM. kansasii,M. marinum,M. szulgai,
 M. flavescens,M. gastriおよびハンセン病の原因菌であるM. lepraeからも
 分泌される。
一方,全てのM. bovis BCGワクチン亜株をはじめ、日本における
 非結核性抗酸菌症中もっとも多い原因菌種であるM. avium,M. intracellulare
 には存在しない。
                 J Immunol 1995; 154: 3359-3372.
                 Microbiology 1998; 144(Pt 11): 3195-3023.


・感度・特異度
 QFTの感度は89.0%、特異度は98.1%(Moriらによる看護学生のstudy)
               Am J Respir Crit Care Med. 2004; 170: 59-64.
 M.kansasiiなどいくつかの非結核性抗酸菌もESAT-6, CFP-10を分泌する。
 kansasii症患者においてもQFT陽性となる。
 検査上の問題で、5%以上の溶血がみられる検体を用いた場合
 偽陽性となる可能性が高い。

・ESAT-6、CFP-10の判定
 陽性コントロールとしてmitogen (PHA) を添付している。
 ESAT-6またはCFP-10の値 (判定にはESAT-6, CFP-10のうち, 高値を採択)
 が0.35 IU/mL未満であってもmitogenの値が0.5 IU/mL未満であった検体は
 免疫不全などが考えられる。そのため、判定不可となる。
 陽性規準とは別に0.10 IU/mLを「判定保留(疑陽性)」基準がある。
 あらかじめ状況証拠などから感染を受けている確率が大きい被験者において
 測定値が0.35 IU/mLには達しないがこの値あるいはそれを超える場合には
 「既感染」として対応することが望ましいことに即して設定されている。

・QFT-GとQFT-2G
 クオンティフェロンゴールド(QFT-G)はQFT-2Gの弱点を解決し
 感度も向上していることから今後急速に広まることが予想される。
 QFT-GとQFT-2Gの異なる点は大きく2点有り、一つはQFT-2Gに用いられて
 いるESAT-6とCFP-10に加え、さらに結核菌特異抗原TB7.7 (Rv2654)
 の合成ペプチドが新たに添加されていることである。もう一点は
 QFT-2Gでは血液検体を培養プレートに1mlずつ4ウエルに分注し抗原を加える
 必要があるが、QFT-Gでは採血に3本1組の専用1ml採血管を用い
 1本の採血管には上記の結核菌特異抗原が一緒に入れられている。
 他の2本の採血管はそれぞれ陰性および陽性コントロールである。
                J. Infect. Dis 2004; 189: 812-819.

 QFT-2Gの感度81.4%に比較しQFT-Gの感度は92.6%と有意に高く
 さらに特異度は共に98.8%であった。
                  J. Infection 2008; 56: 348-353.

by otowelt | 2009-11-05 16:48 | レクチャー

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