気管支鏡の際の鎮静にプロポフォールは有用


気管支鏡の際の前投薬については
アトロピン使用がリスクが高いというCHESTの論文を読んだが、
(「気管支鏡時に前投薬としての抗コリン薬は不要かもしれない 」)
これは気管支鏡時の鎮静の話。
ERJより。
readiness-for-discharge scoreって何じゃらホイ。

Propofol versus combined sedation in flexible bronchoscopy: a randomised non-inferiority trial
Eur Respir J 2009; 34:1024-1030



背景:
 benzodiazepineと鎮痛薬を用いた方法は
 気管支鏡の際によく使われる。Propofolは効果・覚醒がはやいが
 呼吸不全のリスクをはらむ。

方法:
 連続した患者200人をランダムにmidazolam+hydrocodone
 あるいは静脈内propofolに割りつけた。プライマリエンドポイントは
 平均最低SpO2および処置後1時間のreadiness-for-discharge score。

結果:
 気管支鏡時の平均最低SpO2は、いずれもかわりなかった。(p = 0.422)
 readiness-for-discharge scoreの中央値はプロポフォールで有意に高かった。
 (8 (6–9) versus 7 (5–9); p = 0.035)
 プロポフォール群の方が、処置後の心拍数上昇も少なかった。
 Minor procedural complicationsは両群とも同等(p = 0.460)。

結論:
 プロポフォールは、気管支鏡を行う際の鎮静に
 効果的かつ安全である。もし処置後早期に退院させたい場合には
 よいオプションになるだろう。
by otowelt | 2009-11-05 22:21 | 気管支鏡

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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