入院時S.aureus早期スクリーニングと除菌はSSI減少に有効


MRSA除菌とSSIはまだ決着がついていないのだが、
NEJMより論文が出た。

Preventing Surgical-Site Infections in Nasal Carriers of Staphylococcus aureus

背景:
 Staphylococcus aureusの鼻腔内保菌者は医療関連感染のリスクが高い。
 入院時に鼻腔・外鼻の除菌を行うことでこのリスクが低下する可能性があるので
 これを調べた。

方法:
 多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験において、PCRを用いて
 S. aureus 鼻腔内保菌者を早期に同定したあと、ムピロシン鼻腔用軟膏と
 クロルヘキシジン石鹸で除菌することによってS. aureus の院内感染リスクが
 低下するかどうかを検討。

結果:
 2005年10月~2007年6月に、6771 例の患者に対して
 入院時にスクリーニングを行った。1251例の鼻腔ぬぐい液1270検体が
 S. aureus 陽性であった。そのうち917例をITT解析の対象として登録し
 うち808例(88.1%)に手術が行われた。S. aureusはすべて
 メチシリンとムピロシンに感受性であった。S. aureus 感染率は
 ムピロシン+クロルヘキシジン群3.4%(504例中17例)、プラセボ群7.7%
 (413例中32例)であった(感染の相対リスク 0.42,95%CI 0.23~0.75)。
 院内死亡率に両群間で有意差は認められなかった。
 院内感染が発生するまでの時間は、プラセボ群のほうがムピロシン+クロルヘキシジン群
 より短かった(P=0.005)。

結論:
 S. aureus 手術部位感染は、入院時に S. aureus 鼻腔内保菌の
 早期スクリーニングを行い、保菌者に対する除菌を行うことによって
 減少させることができる。

by otowelt | 2010-01-10 22:03 | 感染症全般

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