肺癌治療におけるALK阻害薬の可能性


EML4-ALKがEGFRに次ぐ遺伝子のキーワードに
なるかと思っていたので少し注目していた。

●EML4-ALKとは
喫煙歴を持つ肺腺癌患者にEML4遺伝子の半分とALK遺伝子の半分が
融合する染色体異常で生じたEML4-ALK遺伝子によって、癌化が起こる
可能性があることがわかっている。
ALKはEGFRと同様にチロシンキナーゼを作る遺伝子の一種だが、
そのキナーゼ活性を司る領域がEML4と融合することで、
強い癌化能を有する活性型チロシンキナーゼになっている。
EML4遺伝子とALK遺伝子はどちらも2番染色体短腕上の近いところに、
互いに反対向きに存在している。従って上記のEML4-ALKが作られるためには、
2番染色体短腕上の短い領域が逆位になる必要がある。
e0156318_2147275.jpg


<日経メディカルオンラインより>
2番染色体短腕にあるALK(anaplastic lymphoma kinase)遺伝子に変異がある非小細胞肺癌患者において、ALK阻害剤の1つであるPF-02341066は、顕著な抗腫瘍効果を示すことがフェーズ1試験で確認された。この成果は、1月11日から14日まで米コロナード市で開催されたAACR-IASLC Joint Conference on Molecular Origins of Lung Cancerで、University of Colorado のD. Ross Camidge氏らが報告した。

 同研究グループは、c-MetおよびALK受容体チロシンキナーゼに対する経口阻害剤であるPF-02341066のフェーズ1試験を行ってきた。これまでにALK陽性肺癌患者31人が登録されており、患者の65%が2レジメン以上の前治療を受けていた。部分奏効が19人、完全奏効が1人に認められ、奏効率は65%だった。治療期間の中央値は24週。PF-02341066(250mg、1日2回) による有害事象は全般に軽度で、主な有害事象は消化器症状と視覚障害と報告されている。

 Camidge氏は、「この結果は、同じ非小細胞肺癌でも遺伝的に異なる疾患が存在することを示しており、それらの疾患では遺伝子異常に特異的な薬剤によって、かなりの利益を得ることができるだろう」とコメントし、遺伝子検査を用いた個別化治療の可能性を指摘した。成果の一部は昨年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されているが、最新データがAACR-IASLC Joint Conference on Molecular Origins of Lung Cancerで報告された。これらの結果を受けて、ALK陽性肺癌患者を対象に、PF-02341066と標準治療を比較するフェーズ3試験が開始されている。

by otowelt | 2010-01-24 21:50 | 肺癌・その他腫瘍

<< Crohn病に対するメトロニダ... 抗Clostridium di... >>