Crohn病に対するメトロニダゾールあるいはクロファジミン療法は有効


Crohn病の治療は、以下の通り。
中等症以上でなければ、5-ASA(5-アミノサルチル)製剤
(ペンタサ®、大腸型ではサラゾピリン®でもOK)が第一選択薬となっている。
中等症以上であれば、経口ステロイド(プレドニゾロン40mg/日程度)を投与する。
メトロニダゾール(フラジール®)1日750mgやシプロフロキサシン(シプロキサン®)
1日400mg~800mgを試みる方法もある。
当然ステロイド離脱困難例や長期例にはアザチオプリンなど免疫抑制剤が使用される。
それでも寛解に至らぬ場合はインフリキシマブを考慮する。

Crohn病にそもそもなぜ抗菌薬の議論が出るのかというと
Mycobacterium avium subspecies paratuberculosis
関与が疑われているからである。
このMAP菌は、牛などの家畜にヨーネ病と呼ばれるCrohn病と
類似の病気を起こすことが知られている菌である。

ただ、
Two-year combination antibiotic therapy with clarithromycin, rifabutin, and clofazimine for Crohn's disease.
Gastroenterology. 2007 Jun;132(7):2313-9. Epub 2007 Mar 21.

では最初の16週に限って、クラリスロマイシン、リファブチン、クロファジミンの
併用が効果があるとされたのみであったが、p=0.054と効果がある傾向はあると
考えられた。

クロファジミンはHansen病治療で使われる薬剤として有名である。
Hansen病は、DDS、リファンピシン、クロファジミンによる多剤併用療法が
推奨されており、6か月から2年間続けることで完治するとされている。
そんなクロファジミンとメトロニダゾールを使用することによって
Crohn病を治療しようという試みがCIDから発表された。

Long‐Term Antibiotic Treatment for Crohn's Disease: Systematic Review and Meta‐Analysis of Placebo‐Controlled Trials.
Clinical Infectious Diseases 2010;50:473–480


背景:
 Crohn病における長期抗菌薬療法について検討。

方法:
 メタ分析によって検討。
 最低でも3ヶ月間、プラセボと比較しておこなわれた。
 アウトカムは、活動期における寛解、非活動期における再発とした。
 
結果:
 16の臨床試験で13の治療レジメンが865患者においておこなわれた。
 平均治療期間は6ヶ月(range, 3–24 months)であった。
 3つの試験でメトロニダゾールの有益性が判明した(OR 3.54 (95%CI1.94–6.47)。
 同様にクロファジミンとの併用ではOR 2.86 (95% CI, 1.67–4.88)。
 抗結核薬はまったく効果がみられなかった (3 trials; OR, 0.58; 95% CI, 0.29–1.18)
 クラリスロマイシンはheterogeneous。
 
結論:
 ニトロメダゾールあるいはクロファジミンによる長期療法は
 Crohn病患者に効果的である。

by otowelt | 2010-01-25 00:11 | 感染症全般

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