気管支動脈蔓状血管腫


●気管支動脈蔓状血管腫とは
気管支動脈蔓状血管腫は、1976 年にBabo らによって初めて報告された
   ROFO Fortschr Geb Rontgenstr Nuklearmed 1976 ;124 : 103―110
気管支動脈が著明に屈曲・蛇行・拡張し時にそれらが肺動静脈との異常吻合を
示す疾患である。気管支動脈蔓状血管腫は新生物としての血管腫の概念とは異なる。
疾患概念が明確化されておらず、また血管病変の量的・質的程度についても
定義されていない。本症は先天性気管支動脈形成異常による原発性と
気管支拡張症や結核等の炎症性既存病変に起因する続発性に大別される。

●気管支動脈蔓状血管腫の症状
本邦では原発性の34 例に対し詳細な検討を行っており、
それによると主訴は喀血がほとんどを占め、18~80 歳と幅広い年齢層で
見られ出血部位としては右側が25 症例を占めていた。

●気管支動脈蔓状血管腫の造影
気管支動脈蔓状血管腫は、本症に特徴的な気管支動脈の屈曲,蛇行,拡張を
確認することで診断される。本邦の40 例のうち、33 例は血管造影によって
診断されている。

●気管支動脈蔓状血管腫の気管支鏡所見
内視鏡所見は、原発性では正常粘膜に覆われた暗赤色や赤紫色の
半球性の隆起性病変を認めるとの報告がなされている。
      日呼吸会誌2000 ; 38 : 403―407.
続発性における報告例は乏しく、内視鏡写真掲載は1 例のみで
正常粘膜におおわれた隆起性病変との程度しか記載されておらず、
さらにこれまでに経時変化を報告した論文もない。
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●気管支動脈蔓状血管腫の治療
現在、本疾患に対する標準的治療は確立されていない。
過去の報告によるとBAE や肺葉切除・肺区域切除などが多く行われており
気管支動脈結紮術に関しても施行されている例がある。
BAE は侵襲は少ないが前脊髄動脈塞栓の危険と再開通の可能性が問題と
なる。さらに気管支動脈と肺動脈でのシャントが形成されていた場合
塞栓子が肺動脈まで流入し肺塞栓を合併する可能性もある。
葉切除は根治が期待できるが侵襲性と術後の呼吸機能の低下が問題となる。

文責"倉原優"

by otowelt | 2010-01-31 21:43 | レクチャー

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