肺非小細胞癌に対するEGFR-TKIのILD(間質性肺疾患)の頻度とパターン

JTOのこの論文を読んで、タルセバの方がILDが少ないのか???
と思ったが、結局のところ呼吸器内科医の成長があったからこそ
ILDが減ったのだ!という結論がなされている。
岡山大学の堀田先生の論文である。

個人的には、患者様にはどちらも5%前後と患者さんには説明しているが、
現段階では、症例淘汰によって実際には1~2%にとどまるのかもしれない。
ただ、ごく最近タルセバによる薬剤性肺炎を経験しているので
やはり油断はできないなぁと痛切に感じる。

Comparison of the Incidence and Pattern of Interstitial Lung Disease During Erlotinib and Gefitinib Treatment in Japanese Patients with Non-small Cell Lung Cancer: The Okayama Lung Cancer Study Group Experience
Journal of Thoracic Oncology:
February 2010 - Volume 5 - Issue 2 - pp 179-184


背景:
 NSCLC患者で、エルロチニブとゲフィチニブによるILD(間質性肺疾患)の
 頻度を比べたデータは少ない。日本人の患者においてこれらを検証。

方法:
 エルロチニブによって治療をうけている209人(A群)、ゲフィチニブによって
 治療を受けている330人(B群)で検証。1か月以内の毒性によってこれを観察。

結果:
 A群と比べてB群では既存の肺線維症やPS不良症例が多く含まれていた。
 ILDはA群で2例(Gr1:1例、Gr2:1例、計1.0%)、B群では
 8例(Gr3:1例、Gr4:1例、Gr5:6例、計2.4%)で認められた。多変量解析で、
 PS不良や既存の肺線維症はILD発症を有意に増加させる因子であったが、
 EGFR-TKIのタイプは同イベントに有意に影響を及ぼさない結果が得られた。

結論:
 エルロチニブの方が、イレッサよりILDが少ないが、
 統計学的に少ないわけではない。
 EGFR-TKIのタイプはILD出現に影響を及ぼさなかったが、B群と比べて
 A群の方がややILD発症率は低く、肺癌治療を行っている医師が
 投与対象を効率的に選択するようになってきた可能性が示唆された。

by otowelt | 2010-02-16 18:32 | 肺癌・その他腫瘍

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