悪性疾患によるニューモシスティス肺炎は、AIDSによる場合よりコンソリデーションを混じやすい


個人的にはIFの高い論文しか読まないが、
興味のある論文だったので。

Comparison of Clinical and Radiological Features of Pneumocystis Pneumonia Between Malignancy Cases and Acquired Immunodeficiency Syndrome Cases: A Multicenter Study
Inter Med 49: 273-281, 2010


背景:
 ニューモシスティス肺炎(PCP)は免疫抑制状態の具合によって症状が
 さまざまである。AIDS患者での症状はさまざまな論文で記載があるが
 非AIDS症例、特に悪性疾患などではその記載が乏しい。

目的: 
 AIDS患者におけるPCPと悪性疾患患者におけるPCPの差をみる。

デザイン:
 A multi-center retrospective study

患者および方法:
 PCPであろうと思われる悪性疾患患者21人とAIDS患者17人で
 検討。臨床症状、血清マーカー、酸素化能、CT所見によってアウトカムを出した。
 PCPは、発熱や咳嗽などの症状に加えて、画像上両側の陰影がみられ、
 かつ以下の基準を満たすものとした。
 a)気道検体におけるP. jiroveciiの染色での同定
   (Grocott-Gomori methenamine染色あるいはCalcofluor white染色)
 b) 気道検体におけるP. jiroveciiのPCR陽性かつ血清(1→3)-β-D-glucanの上昇

結果:
 悪性疾患のPCPの場合、症状がPCPと診断される前は期間としては短かった。
 血清マーカーと酸素化インデックスに差はなかった。
 CTはびまん性の広汎なGGOを呈した。
 AIDS患者ではコンソリデーションは1例もなかった。
 悪性疾患ではコンソリデーションを混じる例があったため
 GGOスコアはAIDS患者で高かった。
 AIDS患者はPCP治癒したが、悪性疾患患者ではPCP発症1か月以内に死亡。
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結論:
 悪性疾患PCPとAIDSのPCPでは画像所見がやや異なる。
 悪性疾患による場合はGGOにコンソリデーションを混じる傾向にあり、
 AIDS症例の場合はGGOスコアが高い。

by otowelt | 2010-02-23 11:47 | 感染症全般

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