小児の急性喘息エピソードに、短期経口ステロイド治療は症状軽減に有用

小児を対象としている論文なので、
成長阻害という問題が立ちはだかるのはやむを得ないか。

Parent initiated prednisolone for acute asthma in children of school age: randomised controlled crossover trial
BMJ 2010;340:c843


背景:
 学齢期の小児の急性喘息エピソードには、受診後の経口ステロイド治療が
 有効だが、投与開始が遅れると効果は低下する。そのため
 症状発現時に家庭内で治療を開始する方法は有益と考えられ、
 オーストラリアでは、親による経口ステロイド治療が行われている。
 ただ、喘息の小児に対するステロイド適用が増えると、身長の伸びが
 抑制される可能性がある。

方法:
 オーストラリアのビクトリア州で、過去1年間に
 気管支拡張薬を24時間以上必要とする急性喘息エピソードを4回以上
 経験していた5~12歳の小児を登録。
 割り付けは、喘息のエピソードを対象とした。エピソードごとに個々の患児が
 ステロイド(プレドニゾロン1mg/kg/日)またはプラセボを交互に
 用いることになるよう割り付けた。
 親には以下のように指示した。これまでの経験から、今回の発作がより
 重症であると思ったら、または発作治療薬(レリーバー)を6~8時間適用
 しても症状の改善が見られなかったら、迅速に試験薬の使用を開始し、
 症状を観察しながら3~5日間投与を継続する。

 プライマリエンドポイントは、7日間の昼間の症状スコアの平均。
 これは「今日の昼間、どの程度の息苦しさを感じましたか」という問いにして
 「全くなし」(スコア0)、「少し」(スコア1)、「時々」(スコア2)、
 「かなりの時間」(スコア3)、「ほとんどの時間」(スコア4)、
 「常に」(スコア5)のいずれかから患者が選択し記録したものを基に評価。

結果:
 230人の小児を登録。試験薬が1回以上用いられたエピソードが分析対象。
 2005年3月14日から2008年5月24日までの2年間に、親の手による
 短期ステロイド治療を必要とした喘息エピソードは、131人(57%)に
 トータル308回発生していた(55人が1回、29人が2回、23人が3回、
 9人が4回、8人が5回、1人が6回、4人が7回、2人が8回)。308回中、
 155エピソードがステロイドに、153エピソードがプラセボに割り付けられた。
 7日間のスコアの平均は、ステロイド使用エピソードが1.19。プラセボ
 使用エピソードが1.35で、幾何平均比は0.85(95%CI0.74-0.98、p=0.023)
 となり、プラセボに比べステロイド使用エピソードでは日中の症状スコアが
 15%低いことが明らかになった。
 ステロイド治療は、夜間の症状スコアも16%低下させた。
 幾何平均比は0.84(0.70-1.00、p=0.050)だった。
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結論:
 小児の急性喘息エピソードに対する、親の手による短期経口ステロイド治療は
 喘息の症状を軽減させる。

by otowelt | 2010-03-16 11:59 | 気管支喘息・COPD

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