世界貿易センターでの粉塵曝露により、その後の1 年間にFDNY救助隊員のFEV1は大きく低下

粉塵暴露災害における肺機能障害というのは意外に重要なのだと思った論文。

Lung Function in Rescue Workers at the World Trade Center after 7 Years
N Engl J Med 2010; 362 : 1263 - 72.


背景:
 2001年9月11日世界貿易センターへのテロ攻撃によって、
 ニューヨーク市消防局(Fire Department of New York City:FDNY)の
 数千人の救助隊員が粉塵に曝露され、隊員の肺機能はその後の1 年間で著しく低下。

方法:
 当時世界貿易センターで救助活動を行ったFDNY救助隊員を対象とし
 1秒量(FEV1)をスパイロメトリーを用いて測定。

結果:
 FDNY隊員13,954人のうち、計12,781人(91.6%)がこの研究に参加。
 質で選別されたスパイロメトリー測定値 61,746 件を対象とした。
 最初の1年間で、全例の平均FEV1は有意に低下しており、喫煙歴のない消防隊員は
 喫煙歴のないEMS隊員に比べて大きく低下していた(P<0.001)。
 FEV1はその後 6 年間でほとんどあるいはまったく回復せず、
 FEV1 低下の年平均値は、消防隊員で25 mL/年、EMS 隊員で40 mL/年。
e0156318_11374611.jpg
結論:
 世界貿易センターでの粉塵曝露により、その後の1 年間にFDNY救助隊員の
 FEV1は大きく低下した。全体的にこの低下は持続し、その後の6年間で回復しない。

by otowelt | 2010-04-13 11:33 | 救急

<< 重症患者において、TRALI発... 整形外科手術後にステープルを用... >>