45歳以上の男性で、肺炎球菌ワクチンは心血管イベントを減少させなかった

インフルエンザワクチンによる心血管イベントが減少することは有名だ。
いくつかの試験があるが、FLUVACS試験が有名。
ワクチン接種が免疫反応を非特異的に高めた効果が大きいと考えられている。

Influenza Vaccine Pilot Study in Acute Coronary Syndromes and Planned Percutaneous Coronary Interventions
Circulation. 2002;105:2143


今月のJAMAより、じゃあニューモバックスはどないやねん、という論文が出た。
2009年にCMAJに報告されてから、期待が高まっていた。

Pneumococcal Vaccination and Risk of Acute Myocardial Infarction and Stroke in Men
JAMA. 2010;303(17):1699-1706


背景:
 多くのスタディでは、インフルエンザワクチンによって心血管イベントが減少する
 ことがわかっている。しかしながら、肺炎球菌ワクチンの同効果については
 議論の余地がある。

目的:
 肺炎球菌ワクチンとAMIおよびstrokeのリスクの関係を調べる。

デザインおよび方法:
 前向きコホート試験。
 84170名(45~69歳: California Men's Health Study)

結果:
 フォローアップ期間で、1211の初発MIがワクチン接種を受けた112837人年で
 発症(10.73/1000人年)し、ワクチン接種を受けていない場合は
 1494初発MIが246170人年で発症(6.07 /1000人年)。
 strokeについては、ワクチン接取群で5.30/1000人年、非接種群で
 1.90/1000人年。
 肺炎球菌ワクチンによって統計学的に有意に心血管イベントを減少させなかった。
 HR,1.09; 95% CI 0.98-1.21(AMI)
 HR, 1.14; 95% CI,1.00-1.31(stroke)
 逆相関は、異なる年齢・リスク群男性で認めない。
e0156318_18514130.jpg
結論:
 45歳以上の男性で、肺炎球菌ワクチンは
 急性心筋梗塞や卒中のリスク減少との関連性がなかった。

by otowelt | 2010-05-06 18:54 | 感染症全般

<< 敗血症臨床試験においても長期予... 有用性をもって早期終了した臨床... >>