敗血症臨床試験においても長期予後はエンドポイントになりうる

敗血症の臨床試験のプライマリエンドポイントは院内28日死亡率であることが
多いのは言わずもがなである。
ALIなんかでは長期予後も大事なエンドポイントになりつつあるが、
敗血症でこれが妥当かどうかを検証した論文がCritical Care Medicineに
掲載されていた。
筆頭著者のDr. Bradford Wintersは神経集中治療分野のエキスパートで有名である。

Long-term mortality and quality of life in sepsis: A systematic review
Crit Care Med 2010 Vol. 38, No. 5


背景:
 敗血症の長期予後についてはよくわかっていない。
 そして、敗血症患者は死亡率およびQOLにそれぞれの臨床試験で
 異なる長期予後を有しているかもしれない。
 ALIのような集中治療疾患の長期予後は退院後も健康障害を及ぼす。
 これが敗血症で同じように長期死亡率およびQOLに関与するかどうかは
 まだわかっていないのが現状である。

目的:
 3か月以上の長期死亡率およびQOLを報告した論文をもとに
 システマティックレビューを作成。
 疾患は、sepsis, severe sepsis, septic shockとした。

結果:
 まず、よく使われている院内28日死亡率をはるかに超越した
 2年までの死亡率をエンドポイントに設定した。
 総じて、敗血症を有する患者は退院後もQOLを障害されていた。
 また、エンドポイントは臨床試験がなされた国や疾患によって大きく異なっていた。
 全体としては退院後も死亡率上昇リスクがありうるかもしれない。
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結論:
 現在使用されている院内28日死亡率は、プライマリエンドポイントとしては
 敗血症分野では妥当ではない可能性がある。
 退院後もQOLの障害は続いており、これが死亡率に影響を与える可能性がある。

by otowelt | 2010-05-06 19:39 | 集中治療

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