臍帯血移植におけるサイトメガロウイルス感染は移植成績を引き下げるリスク

臍帯血移植後のサイトメガロウイルス再活性化についての論文。

Impact of cytomegalovirus reactivation after umbilical cord blood transplantation.
Biol Bone Marrow Transplant 16:215-222, 2010


背景:
 UCBは造血幹細胞移植の代替ドナーソースとしてその利用が増加しており、
 BMに比べて、比較的勘弁で安全な採取が可能である。
 移植血液媒介ウイルス感染症の可能性も低いことなどのメリットもある。
 CMVは幹細胞移植後の合併症と死亡率に大きく影響すると考えられる。
 これまでUCB移植後のCMV再活性の頻度およびリスクについての報告はなく、
 本研究にてその頻度と移植成績への影響について検討する。

方法:
 1994年~2007年の間に血液悪性疾患にてUCB移植を施行した332例。
 54%がCMV抗体陽性であった。移植前のレシピエントCMV未・既感染状態は
 急性および慢性GVHD、再燃、DFS、OSには影響しない。
 CMV抗体陽性者はday100のTRMが高い傾向にあった(P=0.07)。
 CMV再活性は51%(92/180)に認めたが、骨髄破壊的造血幹細胞移植、
 骨髄非破壊的造血幹細胞移植間に差は認めなかった(P=0.33)。
 UCBユニット数、HLA一致度、CD34およびCD3陽性細胞数、
 KIR遺伝子ハプロタイプも再活性に影響しなかったが、リンパ球回復が
 早いことは再活性に関連していた(P=0.02)。
 CMV再活性は急性GVHD(P=0.97)、慢性GVHD(P=0.65)、
 TRM(P=0.88)、再燃(P=0.62)、生存(P=0.78)とは相関しなかった。
 CMV感染症は移植前CMV抗体陽性患者の13.8%に発症したが、
 これは高いTRM(P=0.01)、低いOS(P=0.02)と関連。

結論:
 レシピエントの移植前のCMV未・既感染状態および再活性はCBT結果に
 影響を与えないものの、CMV感染症への進展は移植成績を引き下げるリスクである。

by otowelt | 2010-05-08 09:14 | 感染症全般

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