GERD症状のある気管支喘息患者において、PPIは喘息症状を改善

慢性咳嗽の鑑別診断に必ず入るのがGERD。
GERD症状のある喘息患者において、PPIが喘息関連データも改善するかどうか検討。
結局のところ、”喘息+GERDがただあっただけ”なのではないかと思ってしまう…。

Effect of Esomeprazole 40 mg Once or Twice Daily on Asthma: A Randomized, Placebo-controlled Study
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2010; 181: 1042-1048.


背景:
 GERDは気管支喘息患者ではcommonである。
 しかしながら、PPIの喘息に対する作用については議論のあるところである。

目的:
 エソメプラゾール40mg1日1回あるいは2回を、GERD症状のある喘息患者に
 投与することによる検討。

方法:
 26週間にわたるランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験(NCT00317044)。
 18~70歳の中等症から重症喘息のGERD症状のある患者を、エソメプラゾールを
 投与する群とプラセボ群に割りつけた。プライマリエンドポイントは、
 朝のピークフローの変化とし、そのほかにも
 夕方のピークフロー、FEV1、ぜんそく症状、QOLアンケート、
 GERD症状アンケート、エソメプラゾールの忍容性も評価。

結果:
 合計961人の患者を割り付け。828人が完遂した。
 朝のピークフローは、プラセボに比べるとエソメプラゾール40mg1日1回群で
 +3.5 L/min; 95% CI, –3.2 to 10.2、40mg1日2回群で
 +5.5 L/min; 95% CI, –1.2 to 12.2であったが、統計学的な差はなかった。
 治療終了時、いずれの用量のエソメプラゾール群も有意にFEV1を改善した。
 (+0.09 L and +0.12 L; P = 0.0039 and P < 0.0001, respectively)
 しかしながら、1日2回群では26週計算では有意な改善を認めている。
 (+0.07 L; P = 0.0042)
 喘息のQOLアンケートでは、エソメプラゾール両群ともに改善を認めている。
 (+0.28 and +0.41; P = 0.0006 and P < 0.0001, respectively).

結論: 
 エソメプラゾールは呼吸機能と喘息関連QOLを改善するかもしれない。
 しかしながら、臨床的にはかなり小さな影響であると考えられる。

by otowelt | 2010-05-19 01:46 | 気管支喘息・COPD

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