ダサチニブ胸水のレビュー

大学病院の呼吸器内科の友人が、
血液内科コンサルトを受けることが多くなったと言っていた、ダサチニブ胸水。

Pleural effusions due to dasatinib.
Curr Opin Pulm Med 2010 Apr 6


背景:
 ダサチニブは、イマチニブ治療不成功後のBCR-ABL陽性CMLと
 フィラデルフィア染色体陽性ALLの治療に承認された、
 新しいTKIである。ただ、ダサチニブの使用はしばしば胸水により困難となる。
 胸水の特徴とともに胸水発症のリスクファクターについて報告。

内容:
 最近の成績では、ダサチニブ関連胸水の頻度は約20%と報告されている。
 1日2回投与レジメンは胸水の発現と有意に相関することが明らかにされており、
 そのために現在、CMLとALLの治療には、1日1回投与が承認されている。
 ダサチニブ関連胸水は、通常リンパ球優位型の滲出液である。
 発現メカニズムは明らかにされていないが、血小板由来成長因子受容体、
 βポリペプチドの非標的抑制などの関与が推察されている。
 一般的な管理法は、投与中断あるいは減量、利尿薬、短期間のステロイド療法など。
 ダサチニブは抵抗性のCML、ALLに有望な薬剤であるが、原因不明の滲出性胸水
 の発現により困難になることがある。1日1回投与により胸水の
 頻度は低下しているが、胸水が生じた場合に、ほとんどは治療中止に至ることなく、
 管理可能であると考えられる。

ちなみに、1日1回がよいという論文↓
Dasatinib 100 mg once daily minimizes the occurrence of pleural effusion in patients with chronic myeloid leukemia in chronic phase and efficacy is unaffected in patients who develop pleural effusion.
Cancer. 2010 Jan 15;116(2):377-86.

by otowelt | 2010-05-19 03:12 | 肺癌・その他腫瘍

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