非喫煙者にみられた小細胞肺癌の2例

今月のJTOに、「非喫煙者にみられた小細胞肺癌の2例」という報告が掲載された。

Small Cell Lung Cancer in Never Smokers Report of Two Cases
Journal of Thoracic Oncology • Volume 5, Number 5, May 2010


受動喫煙は小細胞癌も非小細胞癌のいずれもの発生原因となりうる。
                 Lancet Oncol 2008;9:657– 666.
いくつかのスタディでは、癌遺伝子と癌抑制遺伝子が小細胞癌に関与していると
わかっている。具体的にはmyc, EGFR, c-raf, c-fms, retinoblastoma, p53である。
N-myc変異は小細胞癌を含む神経内分泌腫瘍に強く関連していることがわかっている。
                  Proc Natl Acad Sci USA 1986;83:1092–1096.
EGFR遺伝子変異は、非小細胞肺癌でよくみられるものだが、小細胞癌にも起こりうる。
あるケースレポートでは、EGFR陽性小細胞肺癌が72歳女性の非喫煙者に認められた。
                   Ann Oncol 2006;17:1028 –1029.
興味深いことに、gefitinibは、低いレベルではあるが、レセプターを発現している
小細胞肺癌のセルラインにおいてEGFRシグナルを阻害することができた。
これはすなわち、EGFR-TKIがEGFR遺伝子変異のある小細胞肺癌の治療
オプションになりうることを意味している。
他のケースレポートでは、2例の非喫煙者の小細胞肺癌でEGFR遺伝子変異が
認められた。
                    N Engl J Med 2006;355:213–215. 
喫煙したことのない小細胞肺癌に起こるEGFR遺伝子変異についてはさらなる
スタディが必要になるであろう。
さらに、非喫煙者の強皮症患者において小細胞肺癌が起こったという報告もある。
小細胞肺癌と強皮症による間質性肺炎に関連性があるのかもしれない。
                    Intern Med 2005;44:315–318.

by otowelt | 2010-05-20 05:22 | 肺癌・その他腫瘍

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