RA-ILDにおけるUIPパターンは、予後不良因子(IPFと同等の生存期間)

関節リウマチと間質性肺炎の合併は多い。
報告によれば50%などという記載もあるが、臨床上ピックアップされるのは
その5分の1くらいの頻度だと個人的に思う。他の膠原病と異なり、
RA-ILDは、UIPパターン>NSIPパターンというのが特徴的である。

呼吸器内科医をやっているとよく話題になるのが、
関節リウマチとIPFにおけるUIPパターンは違いがあるのか?」という点である。
これに関しては、以下のような答えをされる呼吸器内科医が多いように思う。
関節リウマチのUIPパターンは、IPFとは異なり、気管支血管束周囲の
小葉中心部にも線維化病変を伴う

まぁ、よく知られた模範解答とは思うが、この差というのが臨床的に差を生むのかどうか
ERJで検討された論文が出た。非常に興味深い。

Usual interstitial pneumonia in rheumatoid arthritis-associated interstitial lung disease
Eur Respir J 2010; 35: 1322–1328


背景:
 ILDは、関節リウマチにおいてよくみられる肺病変である。しかしながら、予後に
 関する影響はほとんど知られていない。このスタディの目的は、関節リウマチの
 HRCTのUIPパターンがRA-ILDの予後に重要であるかどうかを検討したものである。

方法:
 RA-ILDのある患者はレトロスペクティブに82人登録可能であった。
 定義されたHRCTにおけるUIPパターンの生存への関連性は、
 臨床的にIPFと診断された51人と比べて、コホートに決定された。

結果:
 UIPと定義されたのは、RA-ILDのある82人の患者のうち20人(24%)であった。
 これらの患者はUIPパターンのない患者と比べると生存期間は悪かった。
  (生存期間中央値は 3.2年 VS 6.6年)
 そして対照群となったIPF患者でも同様の生存期間であった。
  HRCTにおいて定義されたUIPパターンは、明らかに生存期間の減少に関連。(HR 2.3)
 HRCTにおいて確認された、traction bronchiectasisおよび
 honeycomb fibrosisは生存期間の減少に関連していた(それぞれHR2.6、2.1)。
 女性(HR0.30)およびDLCO高値(HR 0.96)は生存期間の延長に関連。
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結論:
 HRCTにおいて定義されたUIPパターンは、RA-ILDの予後を規定する。
 RA-UIPはIPFと同等の生存期間であると考えられる。

※ちなみにhoneycomb fibrosis(蜂巣肺)の定義は
 下の記事のように考えている。

蜂巣肺・蜂窩肺(honeycombing lung)の定義

by otowelt | 2010-06-04 23:25 | びまん性肺疾患

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