RA-ILDにおけるUIPパターンは、予後不良因子(IPFと同等の生存期間)
2010年 06月 04日
関節リウマチと間質性肺炎の合併は多い。
報告によれば50%などという記載もあるが、臨床上ピックアップされるのは
その5分の1くらいの頻度だと個人的に思う。他の膠原病と異なり、
RA-ILDは、UIPパターン>NSIPパターンというのが特徴的である。
呼吸器内科医をやっているとよく話題になるのが、
「関節リウマチとIPFにおけるUIPパターンは違いがあるのか?」という点である。
これに関しては、以下のような答えをされる呼吸器内科医が多いように思う。
「関節リウマチのUIPパターンは、IPFとは異なり、気管支血管束周囲の
小葉中心部にも線維化病変を伴う」
まぁ、よく知られた模範解答とは思うが、この差というのが臨床的に差を生むのかどうか
ERJで検討された論文が出た。非常に興味深い。
Usual interstitial pneumonia in rheumatoid arthritis-associated interstitial lung disease
Eur Respir J 2010; 35: 1322–1328
背景:
ILDは、関節リウマチにおいてよくみられる肺病変である。しかしながら、予後に
関する影響はほとんど知られていない。このスタディの目的は、関節リウマチの
HRCTのUIPパターンがRA-ILDの予後に重要であるかどうかを検討したものである。
方法:
RA-ILDのある患者はレトロスペクティブに82人登録可能であった。
定義されたHRCTにおけるUIPパターンの生存への関連性は、
臨床的にIPFと診断された51人と比べて、コホートに決定された。
結果:
UIPと定義されたのは、RA-ILDのある82人の患者のうち20人(24%)であった。
これらの患者はUIPパターンのない患者と比べると生存期間は悪かった。
(生存期間中央値は 3.2年 VS 6.6年)
そして対照群となったIPF患者でも同様の生存期間であった。
HRCTにおいて定義されたUIPパターンは、明らかに生存期間の減少に関連。(HR 2.3)
HRCTにおいて確認された、traction bronchiectasisおよび
honeycomb fibrosisは生存期間の減少に関連していた(それぞれHR2.6、2.1)。
女性(HR0.30)およびDLCO高値(HR 0.96)は生存期間の延長に関連。 結論:
HRCTにおいて定義されたUIPパターンは、RA-ILDの予後を規定する。
RA-UIPはIPFと同等の生存期間であると考えられる。
※ちなみにhoneycomb fibrosis(蜂巣肺)の定義は
下の記事のように考えている。
→蜂巣肺・蜂窩肺(honeycombing lung)の定義
報告によれば50%などという記載もあるが、臨床上ピックアップされるのは
その5分の1くらいの頻度だと個人的に思う。他の膠原病と異なり、
RA-ILDは、UIPパターン>NSIPパターンというのが特徴的である。
呼吸器内科医をやっているとよく話題になるのが、
「関節リウマチとIPFにおけるUIPパターンは違いがあるのか?」という点である。
これに関しては、以下のような答えをされる呼吸器内科医が多いように思う。
「関節リウマチのUIPパターンは、IPFとは異なり、気管支血管束周囲の
小葉中心部にも線維化病変を伴う」
まぁ、よく知られた模範解答とは思うが、この差というのが臨床的に差を生むのかどうか
ERJで検討された論文が出た。非常に興味深い。
Usual interstitial pneumonia in rheumatoid arthritis-associated interstitial lung disease
Eur Respir J 2010; 35: 1322–1328
背景:
ILDは、関節リウマチにおいてよくみられる肺病変である。しかしながら、予後に
関する影響はほとんど知られていない。このスタディの目的は、関節リウマチの
HRCTのUIPパターンがRA-ILDの予後に重要であるかどうかを検討したものである。
方法:
RA-ILDのある患者はレトロスペクティブに82人登録可能であった。
定義されたHRCTにおけるUIPパターンの生存への関連性は、
臨床的にIPFと診断された51人と比べて、コホートに決定された。
結果:
UIPと定義されたのは、RA-ILDのある82人の患者のうち20人(24%)であった。
これらの患者はUIPパターンのない患者と比べると生存期間は悪かった。
(生存期間中央値は 3.2年 VS 6.6年)
そして対照群となったIPF患者でも同様の生存期間であった。
HRCTにおいて定義されたUIPパターンは、明らかに生存期間の減少に関連。(HR 2.3)
HRCTにおいて確認された、traction bronchiectasisおよび
honeycomb fibrosisは生存期間の減少に関連していた(それぞれHR2.6、2.1)。
女性(HR0.30)およびDLCO高値(HR 0.96)は生存期間の延長に関連。
HRCTにおいて定義されたUIPパターンは、RA-ILDの予後を規定する。
RA-UIPはIPFと同等の生存期間であると考えられる。
※ちなみにhoneycomb fibrosis(蜂巣肺)の定義は
下の記事のように考えている。
→蜂巣肺・蜂窩肺(honeycombing lung)の定義
by otowelt
| 2010-06-04 23:25
| びまん性肺疾患