プライマリセッティングでSIMV-PSはA/Cと比較して臨床アウトカムは同等

当院の人工呼吸器はBP840であるが、BILEVELだけでなく
A/CもSIMVももちろん備えている。A/Cは、Assist/Controlの略である。
自発呼吸がない場合は大差ないが、基本的にA/Cの方がstrictである。

Assist(補助換気):自発吸気をトリガーして吸気が開始されるが、
 換気量(吸気圧)、吸気フロー、吸気終了のタイミングは人工呼吸器が決定。
Control(調節換気):吸気の開始、換気量(吸気圧フロー)、吸気終了の
 タイミングをすべて人工呼吸器が決定する。
SIMV:自発呼吸をトリガーして補助換気を行うが、自発呼吸がない場合は
 A/Cの調節換気と同じ換気となる。 


SIMV+PSとA/Cの比較試験がCHESTで出ていた。
当然、自発がない患者にSIMVを選ぶことは基本的にないわけだが、
そういった治療選択バイアスは除去されているらしい。
統計学に明るくないので、その解析アルゴリズムはよくわからない。

Outcomes of Patients Ventilated With Synchronized Intermittent Mandatory Ventilation With Pressure Support; A Comparative Propensity Score Study
CHEST 2010; 137(6):1265–1277


背景:
 1つの呼吸モードが他のモードに比べて優位かどうかを検討した
 データは少ない。われわれは、SIMV-PSとA/Cを換気のプライマリー
 セッティングとして使用した場合の比較をおこなった。

方法:
 23の国の349のICUでおこなわれた。
 層別解析のなされた傾向スコアが350人のSIMV-PS患者と1228人のA/C患者
 に適用された。プライマリエンドポイントは、院内死亡率とした。

結果:
 ロジスティック回帰モデルでは、患者は北米ではSIMV-PSを受けやすく、
 重症度はやや低めで、術後あるいは外傷後の人工呼吸器装着である傾向
 があった。SIMV-PSは、喘息あるいは昏睡の場合、また敗血症や
 心不全といった合併症が人工呼吸器管理中に起こるような場合には
 選ばれにくかった。層別による傾向スコアで、われわれは院内死亡率に
 有意差を見出すことができなかった。
 傾向スコアを調節した場合にも、SIMV-PSの院内死亡率の寄与は
 有意にはみられなかった。(OR, 1.04; 95% CI, 0.77-1.42;P=.78)

 ※エンドポイントは五分位数を用いて評価されている。
  百分位数がいわゆるパーセンタイルと考える方法。
  quintile 1は、SIMV-PSを最も受けにくい群、quintile 5が
  もっとも受けやすい群になる。
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結論:
 治療割り付けバイアスがSIMV-PSにはあるものの
 SIMV-PSはA/Cと比較しても、臨床的なアウトカムに影響しない。

by otowelt | 2010-06-07 05:50 | 集中治療

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