敗血症による院内死亡率は、結婚していない患者では高い

コミュニティサーベイランスを用いているので、
敗血症37000人という途方もない人数のスタディである。
結婚事情が全く違うので、日本にこのスタディは適応されないとは思うのだが…。

Marital Status and the Epidemiology and Outcomes of Sepsis
CHEST 2010; 137(6):1289–1296


背景:
 敗血症はよくみられる重要なプロブレムである。社会的な因子が、医療受給、
 経済的財源、免疫応答、感染症での入院に影響しているかもしれないと考えた。
 このスタディは婚姻ステータスが敗血症の発症とアウトカムに影響するか
 コホートで検証したものである。

方法:
 2006年にニュージャージーに1113581人が入院した。われわれは、
 リスク調整罹患率比(IRR)を敗血症患者において、離婚、死別、法的別居、
 独身、結婚している、といった状況をAmerican Community Surveyのデータ
 を用いて算出した。婚姻ステータスが入院死亡率にどう影響するか
 多変量ロジスティック回帰分析を用いた。

結果:
 37524人の敗血症入院患者のうち、40%が結婚しており(14924人)、
 7%が離婚(2548人)、26%が死別(9934人)、2%が法的別居(763人)、
 26%(9355人)が独身であった。敗血症で入院した患者のうち、年齢、性別、
 人種別の調節IRRは、結婚している人に比べると独身がもっとも高く
 (IRR=3.47;95%CI 3.1-3.9)、続いて死別(IRR=1.38;95%CI 1.2-1.6)、
 法的別居,(IRR 5 1.46; 95% CI, 1.2, 1.8) と高いIRRがみられた。
 結婚している男性に比べると、独身の男女および離婚した男性において、
 院内死亡率の高いオッズ比がみられた。

 死別あるいは法的別居の男性およびすべての既婚女性は、敗血症において
 有意に高い死亡率ではなかった。
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結論:
 敗血症での入院は、独身、死別、法的別居の患者ではよくみられる。
 そのうち、独身男性、離婚した男性、独身女性は院内死亡率が高い。


理由として挙げられるのが、こういったsingleの患者における
社会生活の変容である。喫煙や飲酒、生活リズム不摂生など、
singleであることに健康面でいいことは全くないという論文が多い。
・Effects of marital transitions on changes in dietary and other health behaviours in US women . Int J Epidemiol . 2005 ; 34 ( 1 ):69 - 78 .
・Effects of marital transitions on changes in dietary and other health behaviours in US male health professionals . J Epidemiol Community Health . 2005 ; 59 ( 1 ): 56 - 62 .

by otowelt | 2010-06-10 12:24 | 感染症全般

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