ASCO 2010速報:ALK阻害剤PF-02341066(crizotinib)のRR/DCR
2010年 06月 08日
anaplastic lymphoma kinase (ALK) 融合遺伝子のある
NSCLC患者を対象としたALK阻害剤PF-02341066(crizotinib)の
推奨量による臨床試験で、RRとDCRの結果が報告された。
ASCO2010で、Seoul National University College of Medicine
Yung-Jue Bang医師が発表。
以前の記事参照
・EML4-ALK陽性肺腺癌
・肺癌治療におけるALK阻害薬の可能性
NSCLC患者の約4%にこの遺伝子が存在し、EGFR-TKIに対する反応が乏しい
ことが知られている。
ALK阻害剤PF-02341066(crizotinib)はc-MET(HGFR)とALKの受容体
チロシンキナーゼの双方を阻害する経口剤で、NSCLC細胞のアポトーシスを誘導する。
phase I試験で、PF-02341066の推奨用量は250mgの1日2回投与とされた。
今回、ALK融合遺伝子を有するNSCLC患者82人(平均年齢51歳)を対象とし、
phase I試験で決定した推奨量による臨床試験を施行した。
79人(96%)が腺癌、34人(41%)が3回以上の前治療を受けていた。
非喫煙者と前喫煙者を合わせると81人(99%)にのぼった。
治療8週時に奏効を示した患者の割合に基づいて、DCRを算出した。
RRは57%、8週時のCRとPRとSDを合わせたDCRは87%だった。
PFSの中央値は未到達だが、追跡期間中央値で6.4ヶ月、6ヶ月時PFS率は72%。
有害事象も問題なかったと考えられた。
Grade3有害事象は、ALT上昇4人(5%)、AST上昇5人(6%)、
リンパ球減少症2人(2%)など。
PF-02341066の国際的phaseIII試験が開始されたこともあわせて報告されている。
by otowelt
| 2010-06-08 06:40
| 肺癌・その他腫瘍