ASCO 2010速報:EML4-ALK融合遺伝子のある肺腺癌患者は、ない患者に比べ生存期間や増悪までの期間が長い
2010年 06月 08日
survivalという観点での発表がASCO2010でなされた。
EML4-ALK fusion gene in lung adenocarcinoma: A retrospective analysis of the outcome of cisplatin plus pemetrexed treated patients
方法:
肺腺癌96人(女性:38人)に対して解析がおこなわれた。
治療はシスプラチン75mg/m2+ペメトレキセド500mg/m2
もしくはシスプラチン75mg/m2+ゲムシタビン1250mg/m2を
3週間ごとに投与された。ALKはFISHで同定され、ALK遺伝子座の再構成がある場合
EGFRおよびK-rasをDNAシーケンスで検出。ALK再構成は免疫組織化学で確認。
結果:
EML4-ALK融合遺伝子は8人(8.3%)で認められた。男性が6人で、
全例がnever smokerもしくはlight smokerだった。
EML4-ALK融合遺伝子が認められなかった88人では、女性がほとんどで
smokerが67人だった。
EML4-ALK融合遺伝子のある患者では、PR2人、SD4人、PD2人であった。
TTP中央値は9ヵ月、OS中央値は17ヵ月。
EML4-ALK融合遺伝子のない患者では、PR6人、SD20人、PD6人であった。
TTP中央値は6.2ヵ月、OS中央値は11ヵ月。
少数検討だが、明らかにEML4-ALK陰性患者よりも陽性患者の方がsurvival benefit
がみられた。また、EML4-ALK陽性の患者では全例でEGFRおよびK-ras変異が
なかった。
by otowelt
| 2010-06-08 22:16
| 肺癌・その他腫瘍