ASCO 2010速報:進行NSCLC患者への早期緩和ケアチームの介入の有用性

e0156318_12371076.jpg


今回の報告者は過去に、進行期NSCLC患者の治療早期において
外来緩和ケアチームが関わる有用性を50例のphase II試験で報告済である。
                        J Clin Oncol 2007; 25: 2377-2382
e0156318_2250159.jpg
緩和ケアモデルとして、やはり急激なギアチェンジではなく
なだらかな緩和ケアの介入を発表者は強調していた。

Effect of early palliative care (PC) on quality of life (QOL), aggressive care at the end-of-life (EOL),and survival in stage IV NSCLC patients: Results of a phase III randomized trial.

方法:
 stage IVと診断されたPS0~2のNSCLC患者が、腫瘍内科医による
 積極的治療とともに早期から緩和ケアチームとも関わるPalliative Care(PC)群
 および通常どおり腫瘍内科医のみに治療をうける標準治療(SC)群にランダム化
 割り付けされた。PC群では割付けから3週以内に緩和ケアチームと面会し、
 最低月1回の頻度で緩和ケアが継続され、一方、SC群では患者本人や家族、
 腫瘍内科医の要望があったときのみ緩和ケアチームが関わった。
 ランダム化前にQOLに関する調査(FACT-Lung)と精神状態に関する調査
 (HADSおよびPHQ-9)が行われ、割り付けから12週後に再調査された。
 プライマリエンドポイントは12週時点におけるQOL、セカンダリエンドポイントは
 12週時点での精神状態、EOLの質、EOLに用いられた医療資源、蘇生の記録。

結果:
 2006年6月~2009年7月に283例の適格例のうち151例が登録。
 12週時点で27例(PC群17例、SC群10例)の患者が死亡、
 PC群の60例(78%)、SC群の47例(64%)でQOL調査がおこなわれた。
 結果、PC群はSC群と比べ有意にQOLが優れていた
 (FACT-Lungスコアで98.0 VS 91.5、p=0.03)。
 12週時点における精神状態も、PC群では有意に抑うつ症状が少なかった。
 PC群ではSC群に比べて積極的治療(ホスピスに入所しない、ホスピスへの
 入所期間が3日以内、死亡の14日以内にも化学療法を受けている)を
 受けた頻度が有意に少なく、蘇生術を回避する率も高かった。
 OSはPC群がSC群より有意に長かった(11.6ヵ月VS8.9ヵ月、p=0.02)

結論:
 進行期NSCLC患者が診断早期から緩和ケアチームが関わることは、
 患者の精神状態とQOLを有意に改善させる。

by otowelt | 2010-06-09 22:46 | 肺癌・その他腫瘍

<< XDRTBには、新しい世代のフ... ASCO 2010速報:JCO... >>