早期中心静脈カテーテル抜去はカンジダ血症に対して無利益

臨床的には
1.GNR、真菌などの血症
2.臓器障害・循環動態不安定
3.適切な治療後の菌血症持続
に関しては明らかにカテーテルを抜くべきだとされていた。
CRBSIガイドラインでは、CRBSIを疑った時、基本的に菌が検出されたとき
抜くことが可能であれば、CVCを抜くことが推奨されている。
Clin Infect Dis 2001;32:1249-1272
特に、歴史的にCandida血症の場合は言わずもがな、であった。

それを覆す論文がCIDから出た。842人のコホート試験であるが、
さてこの論文がガイドラインを動かすであろうか。
・・・・・・個人的にはCVC抜去をしないというのは、気持ち悪い。
カテーテルにバイオフィルムが・・・と想像しただけで抜きたくなる。

Early Removal of Central Venous Catheter in Patients with Candidemia Does Not Improve Outcome: Analysis of 842 Patients from 2 Randomized Clinical Trials
Clinical Infectious Diseases 2010;51:295–303


背景:
 カンジダ血症のある患者は、中心静脈カテーテル感染によることが多く
 これはカテーテル早期抜去が有効と考えられている。

方法:
 CVCの早期抜去(治療開始24~48時間以内)によるカンジダ血症(842人)の
 改善に関する2つの第III相試験のサブグループ解析をおこなった。
 登録基準は、カンジダ血症があること、16歳より上、CVCが診断時に入っている、
 1ドーズでもstudy drugが入っていること。
 6つのアウトカムが検証された。すなわち、治療成功、遷延するあるいは
 再発するカンジダ血症率、微生物学的に根絶するまでの時間、
 28日および42日のsurvival。
 
結果:
 単変量解析において、早期のCVC抜去は微生物学的な根絶あるいは
 カンジダ血症の遷延・再発を改善しなかった。しかしながら、
 治療成功およびsurvivlaには寄与した。
 しかしこれらのbenefitは、多変量解析ではなくなってしまった。
 すなわち、CVCの早期抜去は6つのアウトカムを満たさなかったことになる。

結論:
 コホートにおける842人のカンジダ血症の試験において
 CVCの早期抜去は、いかなる臨床的な利益ももたらさない。
 これらの見解は、現在のEBMを見直す必要性を提案する。

by otowelt | 2010-07-05 12:33 | 感染症全般

<< クラミドフィラ肺炎は肺癌のリス... ビタミンB6とメチオニン高値は... >>