クラミドフィラ肺炎は肺癌のリスクを上昇させる

タイトルはクラミジア肺炎となっているが、現在ではクラミドフィラ肺炎である。
クラミジア肺炎は、基本的に新生児にしか起こらないと思っておいた方がよい。
成人呼吸器内科領域における、カリニ肺炎もクラミジア肺炎も過去の病名なので、
個人的には慣習的に使わないように意識している。
CHSP-60は発癌の分野で有名であり、産婦人科領域でもメジャーな言葉である。
日本語に直すと、クラミジア熱ショック蛋白質60と言うらしいが
個人的にはほとんど耳にしたことがない。

Chlamydia pneumoniae Infection and Risk for Lung Cancer
Cancer Epidemiology, Biomarkers and Prevention May 25, 2010; doi: 10.1158/1055-9965.EPI-09-1261


背景:
 クラミドフィラ肺炎は肺癌のリスクがあるのではないかと示唆されており、
 microimmunoflourescence (MIF) IgGおよびIgA抗体と、
 Chlamydia heat shock protein-60 (CHSP-60) 抗体が関与していると
 考えられている。これはすなわち、慢性のクラミドフィラ感染と考えてよい。

方法:
 593の肺癌患者および671人のコントロールを登録。
 Prostate, Lung, Colorectal, and Ovarian Cancer Screening Trial
 (N=77464)から抽出した。
 コントロール群は、年齢、性別、ランダム化年、フォローアップ期間、喫煙歴を
 調整したもの。
 われわれは、C. pneumoniaeの血清学的診断のついた患者において
 抗体のタイターを測定 (C. pneumoniaeに対するIgGおよびIgA抗体、
 CHSP-60 IgG抗体)

結果:
 上記IgGおよびIgA抗体は肺癌リスクとは関連しなかった。
 (OR 0.88 、95%CI0.69-1.13 for IgG; OR0.98、95%CI 0.75-1.27 for IgA)
 それに対して、CHSP-60 IgG抗体は有意に肺癌リスクを上昇した
 (OR 1.30; 95% CI, 1.02-1.67)。また、タイター高値において肺癌のリスクと
 関連(P trend = 0.006)。

結論:
 CHSP-60 IgG抗体のタイター高値は、肺癌のリスクに関連する。
 C. pneumoniaeの肺における発癌が示された。

by otowelt | 2010-07-05 12:56 | 感染症全般

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