人工呼吸器を要するCOPD急性増悪に対するST合剤は、シプロフロキサシンに非劣勢

感染症医は、キノロンは安易には使わない傾向にある。
結核菌をにごしてしまう、耐性菌誘導など様々理由があるが…。
ICU settingでは特に初回抗菌薬でキノロン系抗菌薬を使用しない方が
よいのではという報告も最近聞かれる。
そんな中、そのニューキノロンをコントロールアームにおいた臨床試験が
CIDから報告された!(笑)

Standard versus Newer Antibacterial Agents in the Treatment of Severe Acute Exacerbation of Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Randomized Trial of Trimethoprim‐Sulfamethoxazole versus Ciprofloxacin
Clinical Infectious Diseases 2010;51:143–149


背景:
 COPD急性増悪における抗菌薬使用は広く受け入れられているが、
 その選択とアウトカムに関しては議論の余地がある。
 われわれの目的は、ST合剤とシプロフロキサシンを
 人工呼吸器を要するCOPD急性増悪において比較することである。

方法:
 ランダム化二重盲検試験で、170人のCOPD急性増悪のうち
 人工呼吸を要するような重症患者を登録した。
 85人がST合剤、85人がシプロフロキサシンの治療を10日間続けた。
 メインアウトカムは、院内死亡と追加抗菌薬の投与必要性とした。
 セカンダリアウトカムは、人工呼吸器期間、在院日数、COPD無増悪期間とした。

結果:
 院内死亡と追加抗菌薬の投与必要性に関しては、2群とも同等
 (ST:16.4% vs CPFX:15.3%;difference,1.1%;95%CI−9.8%~12.0%;P=.832)
 院内死亡はST群で7人(8.2%)みられ、CPFX群で8人(9.4%)みられた。
 追加抗菌薬の使用に関しては、ST群で8人、CPFX群で5人であった
 (difference, 2.3%; 95% CI, −5.4 ~10.0; P=.549)。
 平均のCOPD無増悪期間は両群とも同等(ST:83 ± 25 vs CPFX:79 ± 22;
 difference, 4 days; 95% CI, −15~19 days; P=.41)。
 人工呼吸器期間、在院日数に関しては有意差がみられなかった。

結論:
 人工呼吸器を要するCOPD急性増悪患者において、ST合剤の効果は
 シプロフロキサシンに非劣勢である。

by otowelt | 2010-07-06 09:29 | 感染症全般

<< AIDS+クリプトコッカス髄膜... EBUS-TBNAにおける菌血... >>