AIDS+クリプトコッカス髄膜炎におけるリポソーム製剤アムホテリシンBは3mg/kg/dayで副作用少なく効果良好

最近の抗真菌薬のスタディとしては非常に話題になっている論文。
古典的な”臨床試験”といった感じのスタディで、わかりやすい。

重症の肺クリプトコッカスに4mg/kg/dayで使用して、乏尿を伴う
AKIに陥ったことがあり、個人的なトラウマになっている。(笑)

Comparison of 2 Doses of Liposomal Amphotericin B and Conventional Amphotericin B Deoxycholate for Treatment of AIDS‐Associated Acute Cryptococcal Meningitis: A Randomized, Double‐Blind Clinical Trial of Efficacy and Safety
Clinical Infectious Diseases 2010; 51(2):225–232


背景:
 クリプトコッカス髄膜炎に対して、アムホテリシンBは最も効果があると
 されている薬剤である。しかしながら、この薬剤の投与によって起こる
 副作用が問題となる。本試験は、二重盲検試験である。
 HAARTの前にAIDS患者+クリプトコッカス髄膜炎患者において、
 リポソーム製剤アムホテリシンBと通常のアムホテリシン製剤を比較する。

方法:
 アムホテリシンB 0.7mg/kg/day (n=87)、
 リポソーム製剤アムホテリシンB 3mg/kg/day (n=86)、
 リポソーム製剤アムホテリシンB 6mg/kg/day (n=94)に1:1:1に割り付け。

結果:
 効果は3群とも同等であった。点滴による反応は、
 通常のアムホテリシンBよりリポソーム製剤において低かった。(P<.001)
 リポソーム製剤アムホテリシンB 3mg/kg/day群において、
 腎障害、血清クレアチニンレベルが低い傾向にあった。(P=.004)
 死亡率は10週間で11.6%と全体で差はみられなかった。
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結論:
 AIDS+クリプトコッカス髄膜炎患者において、
 リポソーム製剤アムホテリシンBは、通常のアムホテリシンBの代替となりうるが
 3mg/kg/dayは効果を有したまま副作用を減らす。

by otowelt | 2010-07-07 09:45 | 感染症全般

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