AIDS+クリプトコッカス髄膜炎におけるリポソーム製剤アムホテリシンBは3mg/kg/dayで副作用少なく効果良好
2010年 07月 07日
最近の抗真菌薬のスタディとしては非常に話題になっている論文。
古典的な”臨床試験”といった感じのスタディで、わかりやすい。
重症の肺クリプトコッカスに4mg/kg/dayで使用して、乏尿を伴う
AKIに陥ったことがあり、個人的なトラウマになっている。(笑)
Comparison of 2 Doses of Liposomal Amphotericin B and Conventional Amphotericin B Deoxycholate for Treatment of AIDS‐Associated Acute Cryptococcal Meningitis: A Randomized, Double‐Blind Clinical Trial of Efficacy and Safety
Clinical Infectious Diseases 2010; 51(2):225–232
背景:
クリプトコッカス髄膜炎に対して、アムホテリシンBは最も効果があると
されている薬剤である。しかしながら、この薬剤の投与によって起こる
副作用が問題となる。本試験は、二重盲検試験である。
HAARTの前にAIDS患者+クリプトコッカス髄膜炎患者において、
リポソーム製剤アムホテリシンBと通常のアムホテリシン製剤を比較する。
方法:
アムホテリシンB 0.7mg/kg/day (n=87)、
リポソーム製剤アムホテリシンB 3mg/kg/day (n=86)、
リポソーム製剤アムホテリシンB 6mg/kg/day (n=94)に1:1:1に割り付け。
結果:
効果は3群とも同等であった。点滴による反応は、
通常のアムホテリシンBよりリポソーム製剤において低かった。(P<.001)
リポソーム製剤アムホテリシンB 3mg/kg/day群において、
腎障害、血清クレアチニンレベルが低い傾向にあった。(P=.004)
死亡率は10週間で11.6%と全体で差はみられなかった。 結論:
AIDS+クリプトコッカス髄膜炎患者において、
リポソーム製剤アムホテリシンBは、通常のアムホテリシンBの代替となりうるが
3mg/kg/dayは効果を有したまま副作用を減らす。
古典的な”臨床試験”といった感じのスタディで、わかりやすい。
重症の肺クリプトコッカスに4mg/kg/dayで使用して、乏尿を伴う
AKIに陥ったことがあり、個人的なトラウマになっている。(笑)
Comparison of 2 Doses of Liposomal Amphotericin B and Conventional Amphotericin B Deoxycholate for Treatment of AIDS‐Associated Acute Cryptococcal Meningitis: A Randomized, Double‐Blind Clinical Trial of Efficacy and Safety
Clinical Infectious Diseases 2010; 51(2):225–232
背景:
クリプトコッカス髄膜炎に対して、アムホテリシンBは最も効果があると
されている薬剤である。しかしながら、この薬剤の投与によって起こる
副作用が問題となる。本試験は、二重盲検試験である。
HAARTの前にAIDS患者+クリプトコッカス髄膜炎患者において、
リポソーム製剤アムホテリシンBと通常のアムホテリシン製剤を比較する。
方法:
アムホテリシンB 0.7mg/kg/day (n=87)、
リポソーム製剤アムホテリシンB 3mg/kg/day (n=86)、
リポソーム製剤アムホテリシンB 6mg/kg/day (n=94)に1:1:1に割り付け。
結果:
効果は3群とも同等であった。点滴による反応は、
通常のアムホテリシンBよりリポソーム製剤において低かった。(P<.001)
リポソーム製剤アムホテリシンB 3mg/kg/day群において、
腎障害、血清クレアチニンレベルが低い傾向にあった。(P=.004)
死亡率は10週間で11.6%と全体で差はみられなかった。
AIDS+クリプトコッカス髄膜炎患者において、
リポソーム製剤アムホテリシンBは、通常のアムホテリシンBの代替となりうるが
3mg/kg/dayは効果を有したまま副作用を減らす。
by otowelt
| 2010-07-07 09:45
| 感染症全般