胸骨圧迫非中断下のエアウェイスコープは有用である可能性

Resuscitationは救急領域ではそれなりの論文ではある。
impact factorは2.712とやや低いが…。

最近、エアウェイスコープの論文が明らかに多い。
(以下、AWSは商品名への馴染みも含めてエアウェイスコープと訳す)
ERJやCHESTのEBUS-TBNAの論文のような感じで、
新しいモノへの興味がアクセプトに反映されている気がする。

過去にも記載した。
救急におけるGlide Scopeを用いた挿管

当たり前だが、心肺蘇生時に胸骨圧迫の中断は最小限にとどめるよう推奨されている。
push hard, push fast, without interruption
G2000では、CPA時に気管挿管を行うことが推奨されていた。おそらくは
非同期CPRの利点を生かすためでもあったが、G2005では30:2のCPRになって
しまったので、相対的に気管挿管の意義は低下した。そのため、アドバンスな気道
確保器具としてコンビチューブやラリンゲアルマスクエアウェイなどが見直された
経緯がある。コンビチューブ、ラリンゲアルマスクエアウェイ、気管挿管など
2つ以上の高度な気道確保に習熟しcase by caseで適応することがG2005で
推奨された。気管挿管は、挿入操作やチューブ位置確認のための胸骨圧迫の中断と
いったCPRの阻害因子があるため、熟練した蘇生者だけに許された手技になった。

気管挿管時に中断しなければ当然OKだが、現実そうもいかないこともある。
このジレンマを解決するため色々な論文が出てくるわけである。
特にエアウェイスコープなんかはその対象として、格好のモノとなった。
なので、今回のような論文がどんどんと出てくるのである。

Brief reportもチラホラあったのを知っているが。
Tracheal intubation using Macintosh and 2 video laryngoscopes with and without chest compressions
The American Journal of Emergency Medicine, 1 May 2010


以下、今回の論文。
Comparison of three types of laryngoscope for tracheal intubation during rhythmic chest compressions: A manikin study
Resuscitation, 07/08/2010


背景:
 心肺蘇生時の胸骨圧迫時に挿管する際に、胸骨圧迫を中断すると
 生存に関してはあまりよくないと考えられている。
 われわれは、マネキンを使用してエアウェイスコープが胸骨圧迫を中断せずに
 挿管が有用かどうかを検証した。

方法:
 35人のあまり挿管経験のない人間を術者とした。
 喉頭鏡は、マッキントッシュ型、Pentax-AWS(AWS)(エアウェイスコープ)、
 optic laryngoscope Airtraq (ATQ)を用いた。
 胸骨圧迫時の挿管に関して、その成功率と時間を観測した。

結果:
 周期的な胸骨圧迫中に、9人の術者がマッキントッシュで失敗、
 7人がATQで失敗、エアウェイスコープでは一人も失敗しなかった。
 成功率は明らかにエアウェイスコープで高かった。
 マッキントッシュと比較:P < 0.01、ATQと比較:P < 0.05
 挿管に要した時間も、エアウェイスコープがもっとも短かった。

結論:
 胸骨圧迫非中断下での挿管は、マッキントッシュやATQよりは
 エアウェイスコープの方が成功率も時間も良好である。

by otowelt | 2010-07-13 12:42 | 救急

<< ST合剤は、ACEIあるいはA... 末期腎不全SCLC患者へのCA... >>