HSCT後早期の呼吸器ウイルス感染症は、GVHD発症と関連

臓器移植関連の肺疾患については、びまん性肺疾患研究会なんかで出ることがあるが
市中病院の呼吸器内科医にとってはまったくもって無縁な話ではある。
ただ、呼吸器内科医としてはallo-LSや移植後のBOSなどは
知っておかねばならないことには違いない。

Strong association between respiratory viral infection early after hematopoietic stem cell transplantation and the development of life-threatening acute and chronic alloimmune lung syndromes
Biol Blood Marrow Transplant 16:782-91, 2010


背景および方法:
 HSCT症例の30~60%が術後肺合併症を経験し、死亡の原因となっている。
 小児においても10~25%の発症の報告がある。
 最近ではIPSやBOSといった非感染性術後肺合併症が多くみられるようになった。
 最近、肺移植症例において呼吸器ウイルス感染と同種免疫の関連についても
 報告されており、肺移植症例において、移植後100日未満での市中の呼吸器
 ウイルス感染後に急性および慢性拒絶反応を発症しやすいことが報告された。
 われわれはHSCTにおいて市中呼吸器ウイルスの存在がallo-LSのトリガーと
 なっていると考え、小児HSCT症例において本前向き研究を行った。

結果:
 110例小児の集団において30例がallo-LSを合併(18例:IPS/12例:BOS)。
 多変量解析では移植後早期の呼吸器ウイルス感染がallo-LS発症の重要な予測因子
 (p<0.0001)。また、多変量解析においてallo-LSは死亡率を増加させる
 唯一の予測因子(p=0.04)。GVHDに対する免疫抑制剤の長期投与は
 allo-LS発症を抑える効果を認めた(p=0.004)。

結論:
 造血幹細胞移植後早期の呼吸器ウイルス感染症は、GVHD発症と関連する。

by otowelt | 2010-07-22 10:38 | 感染症全般

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