未熟児に一酸化窒素吸入を行ってもBPDは予防できない

Inhaled nitric oxide for prevention of bronchopulmonary dysplasia in premature babies (EUNO): a randomised controlled trial.
Lancet. Early Online Publication, 22 July 2010


背景:
 動物モデルにおいて、一酸化窒素吸入は肺形成をうながすが
 未熟児においては気管支肺異形成(BPD)のリスクになる可能性が指摘
 されている。

方法:
 未熟児800名(在胎24-28週)を対象に、一酸化窒素吸入による
 BPDの予防効果を無作為化比較試験で検討。

結果:
 399の新生児が一酸化窒素吸入群に割り当てられた。
 無BPD生存率(65% vs 66%, RR1.05, 95% CI 0.78—1.43)
 最終月経後36週時の生存率(86% vs 90%, RR 0.74, 95%CI 0.48—1.15)
 BPDの発症率(24% vs 27%,RR 0.83, 95%CI 0.58—1.17)であり、
 プラセボ群との有意差は認められなかった。

結論:
 未熟児に一酸化窒素吸入を行ってもBPDは予防できない。
by otowelt | 2010-07-28 16:39 | その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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