エベロリムスによる肺炎

エベロリムスは、ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)と結合して
抗原により活性化されたT細胞の増殖を抑制し、免疫抑制剤として作用する。
腎細胞癌において使用されることもある。
Efficacy of everolimus in advanced renal cell carcinoma: a double-blind, randomised, placebo-controlled phase III trial.
Lancet. 2008 Aug 9;372(9637):449-56.


エベロリムスによる肺炎が意外に多いという報告が、AJRCCMから出た。

Noninfectious Pneumonitis after Everolimus Therapy for Advanced Renal Cell Carcinoma
Am J Respir Crit Care Med Vol 182. pp 396–403, 2010


背景:
 mTOR阻害薬には非感染性の肺炎が起こることが知られている。

目的:
 この肺炎の頻度、放射線学的パターン、マネジメント、臨床アウトカム
 を進行腎細胞癌患者でエベロリムスを受けている患者で検討した。

方法:
 416人の患者が登録、エベロリムスとプラセボにランダム化割り付けされた。
 全ての患者において、肺炎の発症を文責した。
 8週ごとに放射線学的な検証がおこなわれた。
 
結果:
 274人の患者がエベロリムスをうけ37人(13.5%)に肺炎を発症した。
 プラセボ患者では肺炎はみられなかった。
 肺炎を起こした患者のうち、9人(3.3%)がグレード1、18人(6.6%)が
 グレード2、10人(3.6%)がグレード3で、グレード4はいなかった。
 グレード3の肺炎をおこした10人のうち5人がエベロリムス投与前から
 肺炎を起こす放射線学的な基礎素因があると判断された。
 37人のうち20人(54.0%)がフォローアップ期間中に肺炎は改善した。
 16人でステロイド治療がおこなわれた。
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結論:
 エベロリムスにおける肺炎は、早期発見・早期マネジメントが重要である。

by otowelt | 2010-08-02 12:46 | びまん性肺疾患

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