gurgling soundsが声門上で聴取された場合、HAPのリスクが高い

オッズ比140!
gurgling soundsというのは、ボコボコ音とかゴロゴロ音とか
訳すのだろうか?どうもcoarse cracklesとは異なるもののようだ。
こういった身体所見における論文というのは非常に好きである。

Gurgling Breath Sounds May Predict Hospital-Acquired Pneumonia
CHEST August 2010 vol. 138 no. 2 284-288


目的:
 gurgling soundsが、しゃべっている最中あるいは呼吸をしているときに
 声門上で聴取される場合(聴診器を用いても用いなくても)に、
 院内肺炎(HAP)の予測になるかどうかを検証した。

方法:
 すべての呼吸器科あるいは一般内科に入院した患者で検証。350床規模の教育病院を
 登録した。診察したそれぞれの日において、上気道にgurgling soundsが聴取されるか
 されないかを診察した。入院時には必ずそれをチェックした。
 HAPの発症頻度を調査した。これは48時間以降の発症とする。
 20人のgurgling soundsありの患者と60人のgurgling soundsなしの患者がこの
 スタディにエントリー。HAPの発症頻度、ICU搬送頻度、院内死亡率をアウトカムとした。

結果:
 gurgling soundsのある20人が、それのない60人と日比較された。
 gurgling soundsのある患者は、高齢者である傾向があり(78.5 vs 65.2 y; P< .001)
 施設入所率も高かった(75% vs 6%;P< .001)。
 また、認知症が多い傾向にあった(70% vs 13%; P< .001)。
 多変量解析では、認知症(OR=23.4; 95% CI, 4.2-131.9)、24時間以内の鎮静剤治療
 (OR=14.7; 95% CI, 2.2-97.5)はgurgling soundsの独立予測因子であった。
 HAPはgurgling soundsのある55%の患者で起こり、gurgling soundsのない患者では
 1.7%にしかみられなかった。( P<.001) またgurgling soundsのある患者の
 50%、ない患者の3.3%がICUへ搬送された。(P<.001)
 年齢、Chalsonスコア、認知症、鎮静剤投与などで調整した場合、gurgling sounds
 はHAPの独立予測因子であった。(OR=140.1; 95% CI,5.6-3,529.4)
 
 またICU搬送の予測因子でもあった。(OR=35.1; 95% CI, 4.1-303.7)
 ただ、死亡率に関しては寄与しなかった。
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結論:
 gurgling soundsが声門上で聴取された場合、HAPのリスクが高い。

by otowelt | 2010-08-04 08:55 | 感染症全般

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