TAK-242は敗血症においてサイトカインレベルおよび28日死亡率を統計学的には改善しない

2009年2月武田薬品が、敗血症治療薬TAK-242の臨床試験中止を発表している。
感染症が好きなドクjターの間では有名な話だが、
別に安全性や効果に問題があったワケではなく、
利潤が得られそうにないとの上層部の判断であった。
つまり、臨床試験が長引いたあとに承認に漕ぎつけたとしても、
特許切れまでにつぎ込んだ資金を回収しきれないとの判断である。

Crit Care MedからTAK-242についてのランダム化比較試験の論文が出たが、
大量資金投入をコマーシャルベースで行うには微妙な結果である。

TAK-242はToll-like Receptor4(TLR4)を介した情報伝達を阻害することで、
サイトカインなどの炎症メディエーターの産生を抑制することで威力を発揮する。

A randomized, double-blind, placebo-controlled trial of TAK-242 for the treatment of severe sepsis
Critical Care Medicine 38(8), August 2010, pp 1685-1694


目的および方法:
 TAK-242が28日死亡率をsevere sepsisで改善するかどうか検証。
 ランダム化二重盲検プラセボ対照試験。
 合計274人のsevere sepsis、ショックあるいは呼吸不全の患者を登録。
 30分のローディングののち96時間の持続注射を行う、
 TAK-242は1.2 mg/kg/dayあるいは2.4 mg/kg/dayとした。

結果:
 薬学的プライマリエンドポイントは、血清IL-6レベルの変化とした。
 28日死亡率は臨床的なプライマリエンドポイントとした。
 試験はTAK-242がIL-6レベルをおさえるのに効果がないと判断された場合に
 終了とした。274症例がこの試験にランダムに割り付けされた。
 TAK-242は血清IL-6レベルを統計学的に有意には抑制しなかった。
 28日死亡率はプラセボで24%、低用量TAK-242群で22%、高用量TAK-242群で
 17%であった。これも統計学的に有意ではなかった。
 TAK-242は用量に応じてメトヘモグロビン増加をうながした。
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結論:
 TAK-242はsevere sepsisあるいはショックか呼吸不全の患者において
 サイトカインレベルを抑制しない。TAK-242による治療は
 メトヘモグロビンを増加させるが、容認できるレベルではある。
 高用量TAK-242群でやや死亡率が低下したが、統計学的には有意ではない。

by otowelt | 2010-08-07 08:55 | 集中治療

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