NDM-1;ニューデリーメタロβラクタマーゼの世界的拡散の恐れ

NDM-1;ニューデリーメタロβラクタマーゼ。
日本ではあまり取り上げられていないが、全世界的に医療従事者や旅行者向けに
ニュース速報が次々と出ているので知っている方も多いだろう。
現在感染症界をにぎわしている、大トピックである。

インド政府の対応は”安全”としているが、
現地では死亡率が非常に高いというウワサで混乱が生じている。

これに関しては知識がないので、動向に注目したい。

インド衛生省は8月12日に声明を発表し、一部の西側メディアが最近、新しく現われたNDM-1(New Delhi Metallo-1)と呼ばれるメタロβラクタマーゼをインドと関連付けたことに強く反対し、「インドでは、いま、いかなる病気の脅威も全くなく、インドへの医療観光は非常に安全だ」と強調した。
インドを中心とする東南アジアで、形成外科手術や美容整形術を受けた人が
薬剤耐性の高い細菌に感染する例が増えており、専門家は注意を呼びかけている。


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BBCニュース

該当する、Lancet Infectious Diseaseから8月11日の論文。

Emergence of a new antibiotic resistance mechanism in India, Pakistan, and the UK: a molecular, biological, and epidemiological study
The Lancet Infectious Diseases, Early Online Publication, 11 August 2010doi:10.1016/S1473-3099(10)70143-2


背景:
 New Delhi metallo-β-lactamase 1 (NDM-1) による
 カルバペネム耐性グラム陰性腸内細菌が世界的な問題となっている。
 われわれは、NDM-1の有病率をインド、パキスタン、イギリスで調査した。

結果:
 NDM-1をチェンナイで44例、ハリヤナで26例、イギリスで37例、
 他のインド・パキスタン地域で73例同定した。
 NDM-1は大腸菌で35、Klebsiella pneumoniaeで111で、tigecycline、colistinを
 除いてすべての抗生剤に耐性であった。
 ハリヤナで分離のKlebsiella pneumoniaeはクローナルであったが、
 イギリスおよびチェンナイにおけるものはクローン多様性がみられた。
 ほとんどの微生物がプラスミド内のNDM-1遺伝子をもっていた。
 イギリスのNDM-1陽性患者の多くはインド・パキスタンへの1年以内の旅行者か、
 これらの国と関連があった人間であった。

結論:
 NDM-1は世界的に多大な問題を有するため国際的なサーベイランスを必要とする。

by otowelt | 2010-08-13 21:37 | 感染症全般

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