mucinous BAC+AWBFにはEGFR-TKIは効きにくい

BACトータルでみると、26%がEGFR遺伝子変異陽性であるとされている。
           J Clin Oncol. 2005 Feb 1;23(4):857-65.
IFCT-0401試験では、EGFR-TKIはnonmucinous BACに有用であり、
mucinous BACよりもOSとPFSいずれも長いことがわかっている。
           J Thorac Oncol. 2009 Sep;4(9):1126-35.
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上記のことがある程度分かっている状況ではあるが、
JTOにAWBFを含めたBACの遺伝子的検討が載っていた。

Frequency of EGFR and KRAS Mutations in Japanese Patients with Lung Adenocarcinoma with Features of the Mucinous Subtype of Bronchioloalveolar Carcinoma.
Journal of Thoracic Oncology:August 2010 - Volume 5 - Issue 8 - pp 1197-1200


背景:
 肺腺癌、特に気管支肺胞上皮癌(BAC)やBACの特徴を合併する腺癌
 (adenocarcinoma with BAC features ;AWBF)は
 EGFR-TKIに感受性があると言われている。しかしながら、組織学的な
 サブタイプによって反応性は異なる。 mucinous BAC/AWBF (MBAC/AWBF)
 はnonmucinous BAC/AWBF (N-MBAC/AWBF)と比べて
 EGFR-TKIには反応しやすいとは言えない。これは、MBAC/AWBFが
 N-MBAC/AWBFと比べてEGFR変異をまれにしか持たず、
 KRASを高頻度に有するからとされている。

方法:
 手術が行われた191人の肺腺癌の患者で検討。 
 59人(30%) がBAC/AWBFと診断され、20人がMBAC/AWBF (10%) 、
 39人がN-MBAC/AWBF (20%)であった。これらの患者から44組織検体を分離。
 (20の連続MBAC/AWBF検体、24のランダムN-MBAC/AWBF検体)
 組織においてEGFRとKRAS遺伝子変異を調べた。 

結果:
 EGFR遺伝子変異は20のMBAC/AWBFのうち3(15%)、24のN-MBAC/AWBFのうち
 14 (58%)に認められた(p = 0.005)。加えてKRASは20のMBAC/AWBFのうち
 14 (70%)、24のN-MBAC/AWBFのうち7(29%) に認められた(p = 0.0144)。

結論:
 MBAC/AWBFにおいて、EGFR変異は少なくKRASは高頻度であった。
 逆に、N-MBAC/AWBFではEGFR変異が多くKRASは少なかった。
 これらの結果に基づくと、EGFR-TKIはMBAC/AWBFには効果が少ないと思われる。

by otowelt | 2010-08-16 08:12 | 肺癌・その他腫瘍

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