切除不能大腸癌セカンドラインを対象としたIRISのPFSはFOLFIRIに非劣性

大腸癌の重要な臨床試験なので知っておきたい。
FIRIS試験とは、切除不能大腸癌のセカンドラインに対する
CPT-11+5-FU+l-LV(FOLFIRI)療法とCPT-11+TS-1(IRIS)療法との
第II/III相臨床試験である。

●IRIS
 CPT-11 125 mg/m2を1日目と15日目に投与し、TS-1を体表面積により
 40-60 mgを1日2回2週間服用し、これを4週間ごとに繰り返すレジメン

●FOLFIRI
 l-LV 200 mg/m2+CPT-11 150 mg/m2に続いて5-FU 400 mg/m2
 急速静注を第1日目に、また5-FU 2,400 mg/m2の持続点滴静注を46時間かけて
 投与、これを2週間ごとに繰り返すレジメン

Irinotecan plus S-1 (IRIS) versus fluorouracil and folinic acid plus irinotecan (FOLFIRI) as second-line chemotherapy for metastatic colorectal cancer: a randomized phase 2/3 non-inferiority study (FIRIS Study).
Lancet Oncology. August 13, 2010; DOI:10.1016/S1470-2045(10)70181-9


背景:
 FOLFOXとFOLFIRIは切除不能大腸癌のファースト・セカンドラインとして使用される。
 しかし、静脈内投与による5-FUベースの治療法は持続点滴あるいはCVポートを
 必要とするためあまり簡便とは言えない。われわれは切除不能大腸癌の
 セカンドラインを対象としたFOLFIRIに対するIRISの非劣性を検証。

方法:
 2006年1月30日~2008年1月29日の間に日本の40施設において 
 セカンドラインを必要とする切除不能大腸癌が、
 FOLFIRI(213例)とIRIS(213例)にランダムに割り付け。
 プライマリエンドポイントは、非劣性の許容限界を1.333とするPFS。
 
結果:
 全例がプライマリエンドポイントの解析に入った。
 追跡期間中央値は12.9ヵ月で、PFS中央値はFOLFIRIで5.1ヵ月、
 IRISで5.8ヵ月(HR1.077; 95%CI: 0.879-1.319; p=0.039)。
 Grade3/4の薬物有害反応は、
 好中球減少症(FOLFIRI 52.1% VS IRIS36.2% , p=0.0012)、
 白血球減少症(FOLFIRI 15.6% VS IRIS18.1% , p=0.5178)、
 下痢(FOLFIRI 4.7% VS IRIS 20.5%, p<0.0001)。
 
結論:
 切除不能大腸癌セカンドラインを対象としたIRISのPFSはFOLFIRIに非劣性であった。
 IRISは切除不能大腸癌セカンドラインにおける治療選択肢の一つになりうる。

by otowelt | 2010-08-17 05:41 | 肺癌・その他腫瘍

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