転移性非小細胞肺癌患者における早期緩和ケア導入はQOLとOSを改善

ASCO2010でも報告された。

Early Palliative Care for Patients with Metastatic Non-Small-Cell Lung Cancer
N Engl J Med 2010; 363 : 733-42.


背景:
 転移性非小細胞肺癌患者は、終末期であっても積極的な治療を受けることがある。
 新たに転移性非小細胞肺癌と診断された外来の患者において、診断後に
 早期緩和ケア導入をおこなうことによって、治療転帰と終末期医療への影響を検討。

方法:
 外来で 新たに転移性非小細胞肺癌と診断された患者を、癌の標準治療に
 早期緩和ケアを組み合わせて行う群と、標準治療のみを行う群に無作為に割り付け。
 ベースラインと12週目QOLおよび気分を、
 Functional Assessment of Cancer Therapy-Lung:FACT-Lと
 Hospital Anxiety and Depression Scaleを用いて評価。
 プライマリエンドポイントは、12週目QOL変化。
 FACT-Lは0~136点まであり、点数が高いほどQOLが良いことをあらわす。

結果:
 ランダム化した151例の中で、107例(86%)が評価可能であった。
 早期緩和ケア群が、標準治療群よりQOLが良好だった
 (FACT-L平均スコア 98.0 点 VS 91.5点、P=0.03)。
 さらに、早期緩和ケア群のほうが、抑うつ症状を有する患者が少なかった
 (16% VS 38%、P=0.01)。終末期に積極的治療を受けた患者数は
 早期緩和ケア群の方が、標準治療単独群より少なかった(33% VS 54%,P=0.05)。
 しかしながら、OS中央値は早期緩和ケア群のほうが長かった
 (11.6M VS 8.9M,P=0.02)。
e0156318_20421690.jpg
e0156318_20423155.jpg
結論:
 転移性非小細胞肺癌患者において、早期緩和ケアによりQOLと気分に
 有意な改善がみられた。また、早期緩和ケア群では終末期に
 積極的治療を受けることが少なかったが、OSは長かった。

by otowelt | 2010-08-21 20:43 | 肺癌・その他腫瘍

<< ピリドキシンは抗癌剤関連手足症... IGF-1により敗血症患者のb... >>