ピリドキシンは抗癌剤関連手足症候群に無効

手足症候群:hand-foot syndrome(HFS)は、カペシタビン、UFT、5-FU、
TS-1、ドセタキセル、レボホリナートなどの抗癌剤で起こる副反応である。
これに対してピリドキサールが使用されることがあるが、
効果がないという2007年ASCOの報告をJCOで論文にしたもの。

Pyridoxine Is Not Effective to Prevent Hand-Foot Syndrome Associated With Capecitabine Therapy: Results of a Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study
J Clin Oncol 28:3824-3829.2010


目的:
 カペシタビンにピリドキシン治療を併用することによって、
 HFSを予防できるか検証する。

方法:
 化学療法を受けたことがない消化管癌患者でカペシタビンを使用する患者に
 ピリドキシンを200mg/日使用する群とプラセボ群に割り付けた。
 プラセボ群でHFSがgrade2以上出現した場合、次回の化学療法から
 ランダムにプラセボとピリドキシンに割付けられた。
 
結果:
 grade2以上のHFSが出現した化学療法サイクル中央値はいずれも3コースだった。
 grade2以上のHFSを呈したのは、180のプラセボ患者のうち55人(30.6%)で、
 180人のピリドキシン患者のうち57人(31.7%)であった。
 カペシタビンの量によってもその差は有意にはみられなかった。
 コース中に出現したプラセボ群の44人HFSを解析に含めても、HFSの改善に
 関しては有意差がみられなかった。(42.9% vs 47.8%; HR=1.12; P=.94)。
 多変量解析によって56歳以上の患者は、grade2以上のHFSの独立危険因子であった
 (HR=1.768; 95% CI, 1.190 to 2.628; P=.005)。
 また、ドセタキセル併用は有意ではないが、危険因子となる統計学上の境界線上にあった
 (HR=2.046; 95% CI, 0.880 to 4.755;P=.096)。
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結論:
 ピリドキシンはカペシタビン関連HFSには無効である。

by otowelt | 2010-08-21 21:59 | 肺癌・その他腫瘍

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