肺癌において放射線化学療法は心機能障害のリスク

化学療法と放射線療法は心機能障害を起こす。
これは、過去にも報告されている。
・American Society of Clinical Oncology Clinical Evidence Review on the ongoing care of adult cancer survivors: cardiac and pulmonary late effects. J Clin Oncol 2007; 25: 3991–4008.
・Concurrent end-phase boost high-dose radiation therapy for non-small-cell lung cancer with or without cisplatin chemotherapy. Australas Radiol 2006; 50: 342–348.
・Cardiac damage following therapeutic chest irradiation. Minerva Cardioangiol 2000; 48: 78–87.


今回Annals of Oncologyから3万人規模のスタディが報告されたが、
心機能障害を呈するリスクがあることを肺癌治療医は肝に銘じておかねばならない。

Cardiac toxicity in association with chemotherapy and radiation therapy in a large cohort of older patients with non-small-cell lung cancer
Annals of Oncology 21: 1825–1833, 2010


背景:
 このスタディの目的は、化学放射線療法をNSCLCで受けている場合に
 心機能悪化のリスク上がるか否かを検証することである。

方法:
 34209人の65歳以上の患者で病期I~IVの患者を登録。(1991–2002)
 NSCLC診断時には、心機能障害はない患者を選んだ。

結果:
 化学放射線療法によって、有意に心機能障害のリスクがみられた。
 具体的には、虚血性心疾患、伝導障害、心不全など。
 心機能障害は化学療法単独あるいは放射線療法単独でもみられたが
 化学放射線療法ではさらにリスクが増えた。
 男性、黒人、高齢、進行期の患者では合併症スコアが高かった
 左肺癌あるいは両肺癌の患者においては、化学放射線療法による
 虚血性心疾患リスクが高かった。
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結論:
 NSCLCへの化学放射線療法により、心機能障害を起こすリスクがある。
 特に左肺癌の患者においては虚血性心疾患リスクが高い。

by otowelt | 2010-08-24 18:28 | 肺癌・その他腫瘍

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