放射線治療stage II~III NSCLCにおいて癌細胞EPO発現は独立予後因子

Prognostic impact of erythropoietin expression and erythropoietin receptor expression on locoregional control and survival of patients irradiated for stage II/III non-small-cell lung cancer.
Int J Radiat Oncol Biol Phys 2010 Jun 18


背景:
 肺癌において、予後因子は個々の患者への最適な治療を選択するため
 重要な指標となる。この研究では、NSCLC患者における局所コントロールと
 生存期間に対する癌細胞エリスロポエチン(EPO)およびEPO受容体(EPO-R)
 の発現が予後因子としての妥当かどうかを検討した。

方法:
 放射線療法を施行したstage II~III NSCLC患者62例を対象に、
 以下の因子について検討。
 1.年齢、2.性、3.Karnofsky PS(KPS)、4.組織型、5.悪性度、
 6.TNM分類/AJCC stage分類、7.手術、8.化学療法、
 9.総喫煙量(pack years=1日平均喫煙箱数×喫煙年数)、
 10.放射線療法中の喫煙、11.放射線療法中のヘモグロビン値、
 12.EPO発現、13.EPO-R発現
 さらにEPOとEPO-Rの両者を発現した症例をEPOまたはEPO-Rのいずれかを
 発現した症例および両者とも発現しない症例と比較。

結果:
 局所コントロールに関する単変量解析では、AJCC stage II(p<0.048)、
 手術(p<0.042)、放射線療法中の非喫煙(p=0.024)、
 EPO非発現(p=0.001)が局所コントロールの改善と関連。
 KPS>70(p=0.08)、N分類0~1(p=0.07)・EPO-R非発現(p=0.10)は
 関連の傾向を示した。多変量解析では、AJCC stage IIとEPO非発現が有意な関連。
 放射線療法中の非喫煙は有意境界であった。生存期間についての単変量解析では、
 N分類0~1(p=0.009)、手術(p=0.039)、
 ヘモグロビン値≧12g/dL(p=0.016)、EPO非発現(p=0.001)が
 生存期間改善と関連。多変量解析では、N分類0~1とEPO非発現が有意な関連。
 サブグループ解析では、EPOとEPO両者を発現した症例はいずれか一方の発現
 あるいは両者とも発現のない症例に比べ予後不良。
 放射線療法を施行したNSCLC患者におけるがん細胞のEPO発現は
 局所コントロールおよび生存期間の独立の予後因子であり、EPO-R発現は
 予後因子の傾向を示した。EPOおよびEPO-Rの両者を発現した症例の予後は不良。

by otowelt | 2010-08-25 19:03 | 肺癌・その他腫瘍

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