インクレチン関連薬

インクレチン関連薬を服用している患者さんが出始めたので
ステロイドを使用する頻度も多く、結核患者も多い呼吸器内科医は
勉強する必要があるだろう。

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インクレチンとは膵β細胞からのインスリン分泌を促すホルモンで、
現在確認されているものは
・小腸下部L細胞から分泌:グルカゴン様ペプチド(GLP-1)
・小腸上部K細胞から分泌:グルコース依存性インスリン分泌刺激ペプチド (GIP)

の2種類である。
しかし、これらのホルモンは放出されるとジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)
によって2分で分解されてしまうため、インクレチン自体は治療薬にできなかった。
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                  Endocrinology 1999,140; 5356-5363
そのため、
1. GLP-1の分解を抑制し自分のGLP-1を働かせて血糖値を下げる(DPP-4阻害剤)
2. GLP-1の類似薬だがDPP4で分解されにくい(GLP-1アナログ製剤)

という2剤が現在のインクレチン関連薬の主流となった。

理論上は、既存の糖尿病治療薬と比較して、
・血糖値に応じてインスリンが分泌されるので、低血糖がおきにくい。
・体重が増えにくい
・β細胞の保護作用がある
   と考えられている。

1.ジペプチジルペプチターゼ‐4(DPP-4)阻害薬
 DPP-4はインクレチンの分解酵素である。
 SU薬との併用で重篤な低血糖症状が出現し、意識消失を来した症例も報告されている
 ので臨床医は低血糖に注意しなければならない。
 (DPP4阻害薬による低血糖は内服開始10日以内が多い)
 ・シタグリプチン(ジャヌビア、グラクティブ)
 ・ビルダグリプチン(エクア)
 ・ネシーナ(アログリプチン)

2.グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)アナログ
  メトホルミン+SUでも至適な血糖コントロールを得られない場合、
  もうピオグリタゾンを加えるのでないならインスリンを使用するしかない状況下で
  インスリン・グラルギン(ランタス)とほぼ同じだけの効果を示すとされている。

 ・リラグルチド(ビクトーザ)
  代表的なインクレチンであるヒトGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)のアナログ製剤。
  GLP-1は、小腸L細胞から分泌され、末梢では膵β細胞でのインスリン分泌を促進。
  膵α細胞でのグルカゴン分泌を抑制し、中枢では摂食抑制ホルモンとして作用する。
  ビクトーザはGLP-1の作用を、1日1回の皮下注射で補う薬剤。
  シタグリプチンよりも血糖降下作用が大きい。
                Lancet 2010;24;375(9724):1410-1412 
  エクセナチドの作用は投与後8時間でベースに戻るが、リラグルチドは
  24時間持続するという結果も報告されている
               ADA2009(Roasenstock et al.)

 ・エクセナチド(バイエッタ)
  エキセナチドは、1日2回投与で、経口糖尿病治療薬との併用で使用される。
  HbA1c値や血圧、LDL-コレステロールの低下作用および体重の減少作用が報告。
               ADA2009(Horton et al., Arnolds et al.)

by otowelt | 2010-08-28 20:54 | 内科一般

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