プロカルシトニンに基づいたICU抗菌薬使用アルゴリズムは、死亡率は変えないが抗菌薬曝露を減らす

プロカルシトニンを使用したアルゴリズム診療によって
抗菌薬曝露期間は減少することができたが、死亡率は差がみられなかったという
PRORATA試験が記憶に新しい。
Crit Care Medより、プロカルシトニンを使用したアルゴリズムに基づく
抗菌薬使用におけるメタアナリシスが出た。

Procalcitonin-guided algorithms of antibiotic therapy in the intensive care unit: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials
Crit Care Med 2010; 38:DOI: 10.1097/CCM.0b013e3181f17bf9


以下の7つのRCTがメタアナリシスにエントリーした。
1.Lancet2010; 375:463–474(PRORATA試験)
2.Eur Respir J 2009; 34:1364–1375
3.Crit Care2009; 13:R83
4.Langenbecks Arch Surg 2009; 394:221–226
5.Am J Respir Crit Care Med 2008; 177:498–505
6.Hepatogastroenterology2007; 54:359–363
7.Neonatology 2010;97:165–174


forest plotはバラつきがなく、全てが同じような分布であった。
結論としては、やはり抗菌薬曝露期間は減少することができるが
死亡率そのものを減少させることはできないようだ。
ただ、このアルゴリズムそのものが妥当かどうかを今後検証していく必要がある。
プロカルシトニンに基づいたICU抗菌薬使用アルゴリズムは、死亡率は変えないが抗菌薬曝露を減らす_e0156318_22382238.jpg

by otowelt | 2010-08-30 07:22 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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